「ドル円、衆院解散で160円突破か!?」
中村 知博
この記事の著者
DZHフィナンシャルリサーチ 為替情報部 アナリスト

鹿児島出身。2007年国際金融情報サービス会社に入社。
外国為替取引会社・金融機関への24時間リアルタイム金融情報サービスの為替記者として従事。市場動向や見通しなどを解説する動画サービスの業務も経験。2017年にDZHフィナンシャルリサーチに入社。

為替の仕組み

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今週のドル円は底堅い展開となりました。前週末9日に読売新聞が「高市首相は23日召集予定の通常国会冒頭で衆院解散を検討」「衆院選は2月上中旬に実施される公算が大きい」と報じたことをきっかけに円売りが強まりましたが、今週もその流れを継続。読売新聞以外も衆院解散を報じました。

高市首相は連立政権の枠組みなどに国民の信を問いたいとして、来週23日に召集される通常国会の早期に衆議院を解散する意向を自民・維新両党に伝達。閣僚からは16日の記者会見で発言が相次ぎました。

*Trading Viewより

世界的に株価が堅調に推移したこともドル円の上昇を後押ししました。14日には一時159.45円と2024年7月以来約1年半ぶりの高値を更新しています。もっとも、そのあとは本邦通貨当局者の円安けん制発言が相次ぐ中、政府・日銀による為替介入への警戒感から円買い・ドル売りが優勢となり、週末にかけては伸び悩む展開となりました。

なお、14日には片山さつき財務相が足もとの円安について「行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せずに適切な対応をとる」と述べたほか、三村淳財務官も「一方的かつ急激な動きも見られ極めて憂慮している」などと発言。16日には再び片山財務相が「再三、あらゆる手段も含めて断固たる措置を取ると言っている」「日米財務相の合意の中には為替介入が含まれている」と述べています。



米商品先物取引委員会(CFTC) が16日(日本時間17日早朝)に発表した1月13日時点の建玉報告によると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場で非商業部門(投機筋)の円の対ドル持ち高は4万5164枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、前週から5万3979枚減少しました。

*CFTCのデータを基にDZHフィナンシャルリサーチ作成

投機筋の円のポジションは昨年7月2日には18万4223枚の円売り越し(ドル円のロング)となり、2007年6月(18万8077枚)以来の高水準を記録していましたが、そのあとは一転して円買いポジションを構築する動きが優勢となり、4月29日には17万9212枚と過去最大を更新しています。ただ、それ以降はその動きが一服し、円買いポジションを縮小する動きに。1月13日時点では大幅な円売り越しとなりました。



ドル円の一目均衡表チャートを見ると、週末の終値(158.12円)転換線(157.81円)基準線(156.92円)雲(上限:155.50円、下限:152.24円)を全て上回っており、テクニカル的に底堅い展開が予想されます。また、マクロファンドなどが重要視している50日移動平均線が位置する155.82円も引き続き上回っており、上サイドへの期待が高まります。

*Trading Viewより

なお、政府は高市首相が来週19日の夕方に官邸で記者会見すると発表しました。高市首相は23日に召集される通常国会の早期に衆議院を解散する意向を14日、自民・維新両党に伝えていて、記者会見では解散に踏み切る理由や選挙の日程などについて、みずから説明する見通しです。衆院選の日程は「1月27日公示、2月8日投開票」が有力となっています。

*IG証券より

現在の私のポジションはドル円ロング@145.327円。政府・日銀による為替介入への警戒感は根強いですが、基本的には上サイドを目指す展開が予想されます。節目の160円突破はすでに視野に入っていますが、この水準を上抜けた場合は2024年7月に付けた高値161.95円(1986年12月以来の高値)まで上値余地が広がりそうです。


本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※本記事は2026年1月17日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。


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