―Executive Summary― 目次1.前週の為替相場の振り返り=ドル円、米1月CPI後に2023年11月以来の150円乗せ【2月1 […]
今回解説していく通貨はポンド円です。英国ではインフレの高止まり傾向が続いており、英中銀(BOE)による金融引き締めが長期化するとの思惑が広がりつつあります(現在の政策金利は4.50%)。緩和政策を維持する日銀との金融政策の違いを手掛かりした円売り・ポンド買いが続き、ポンド円は2016年以来の高値水準をつけていますが、チャート上でもポンド円の状況を確認していきましょう。
ポンド円の週足分析
下図のチャートはポンド円の週足チャートになります。長期視点では2020年3月安値を始点する上昇トレンドが継続中です(チャート上の黄色実線)。また、より短期的な視点では昨年9月安値を始点とした上昇トレンド(黄色点線)も機能しています。
さらに今回は「MACD」でも見ていきましょう。MACD は昨年9月にボトムアウト(チャートの丸で囲った部分)し、その後に負の値から正の値に転換。「トレンドが上昇へと転換した」ことを示唆しています。トレンドライン、MACDでいずれも現在が上昇トレンドであることが確認できました。
ポンド円の日足分析
今度は日足でも見ていきます(下図のチャート)。基本的には週足で確認した昨年9月安値を始点とする上昇トレンド(黄色点線)を目処にした押し目買い戦略などが有効となるでしょう。足もとのポンド円相場は昨年4月以降、突発的な上下を除くと155-169円のレンジ内推移が続いていましたが、上昇トレンドに沿って先月にこのレンジ上限をブレイク。さらに昨年10月31日につけた直近高値の172.13円(チャートの青丸部分)も上抜けてきました。
ここからですが、今年4月以降にさらに上昇が加速しているため、どこかでいったん調整が入る可能性も意識しておきたいところ。その際の下値目処は前述のレンジ上限(169.28円)を維持できるとベスト。もしくは過去に2度下値を支えた168.00円付近(チャートの赤丸部分)となるでしょうか。
一方で、今後の上値目標としては週足チャートで見ても目立った上値目処が見当たらないため、前回と同じく「一目均衡表の水準論」から探ってみましょう。
チャート上の昨年9月安値を始点として計算した均衡点ですが、NT計算値はすでに上抜けているので今回は除外。N計算値は178.63円、V計算値は188.90円、E計算値は195.40円となります。この辺りも意識しておくとよさそうです。
今後のイベントは
最後に今後1か月間の重要イベントも確認しておきます。注目は6月22日に公表される英国の金融政策。現在の短期金融市場では25bpの追加利上げをほぼ織り込んだ状態となっていますが、結果はもちろんのこと、同時に公表される英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨の内容にも注意しておきましょう。また、英MPCについては政策決定の際の票決(9名のメンバーがどの決定を支持したか)も度々注目されます。その他のイベントは以下の通りとなります。
本記事は2023年6月7日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。
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