為替相場の変動要因
為替相場の変動要因
浦島 伸一郎
この記事の著者
浦島 伸一郎
ジーフィット co-CEO&CTO

プロフィール:外資系証券会社で、オンライン証券取引システム、証券決済システム、米国国債・欧州国債・日本国債などの国債取引所の開発および運営を担当、その後国内証券会社、FX業者などを経て2016年より現職。フィンテックベンチャー企業の経営と、為替リスクヘッジシステム、システム売買ロジックの開発を行う。

価格変動メカニズム
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為替相場、例えばドル円の価格は常に変動しています。朝8時に1ドルが148.50円だったものが、12時に147.85円になり、夕方18時には1ドル149.10円になるなど、為替相場はずっと動いています。この例では、ドル円の価格が上は149.10円、下は147.85円と時間により1.25円の差がありますが、2022年1月以降を見ると平均して1日に1.16円の変動があります。

為替相場の変動を理解するには、為替市場の仕組みや参加者について理解する必要があります。ここでは、①為替市場(マーケット)の仕組み、②為替市場の参加者、について簡単に説明したうえで、③為替相場の変動要因について解説します。

為替市場の仕組み

為替市場は株式市場とは異なり、取引の中心となる市場(取引所)がありません。例えばNTT(日本電信電話)の株式は、基本的に証券会社を通して東京証券取引所で取引されます。一方で、為替は直接取引相手と取引を行う相対取引であることが多く、どこでも誰とでも取引をすることができます。為替市場は株式市場や商品市場のように一か所に留めることができないため、東京、ロンドン、ニューヨークといった都市空間が実質的な市場となっています。

例えば、以下は全て為替取引になります。

  • 銀行で両替(個人と銀行が為替取引)
  • FXでスポット取引(個人とFX業者が為替取引)
  • A銀行とB銀行がスポット取引(銀行間の為替取引)
  • 空港で両替(個人と両替業者が為替取引)
  • ホテルで両替(個人とホテルが為替取引)

2021年の東京外為市場のドル円の取引(銀行取引を集計)は、1日あたり平均で約450憶ドル注1(約6.5兆円、1ドル145円で換算)(日本銀行金融市場局調査)と活発に取引が行われています。近年は個人によるFX取引が拡大しており、2022年9月には1カ月で1,398兆円注2(1日あたり平均63.5兆円)の取引があり、FX取引が銀行取引を大きく上回る状況です。

注1)日本銀行、外国為替市況データより(https://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/ex2021.pdf)

注2)金融先物取引業協会、店頭FX月次速報より(https://www.ffaj.or.jp/library/performance/fx_flash/

為替市場の参加者

為替市場のおもな(取引高の多い)参加者は以下になります。

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