<テクニカル分析判断> ●短期:当面の底打ち・自律反発局面入りは確認も、上昇トレンドへの回帰までは見通せず ●中期:当面の底打ち・自律 […]
RBAとは?
オーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia、通称RBA)はオーストラリアの中央銀行であり、金融政策を実施し、強力な金融システム維持に努め、オーストラリアドルを発行する唯一の機関です。
オーストラリア準備銀行の目的
RBAは、1959年に施工された準備銀行法の第10条第二項にて、「通貨の安定」、「完全雇用の維持」、「国民の経済的繁栄と福祉」を保証する様、金融政策を行う事が定められています。また、1998年に決済システム規制法が施工され、金融および決済システムの管理が求められる様になりました。
二つの組織
RBAには、経済活動に関する決定を行う「準備銀行理事会」と決済システムの管理を行う「決済システム委員会」の二つの組織が存在します。準備銀行理事会は、1月を除く毎月第一火曜日に年11回開催されていましたが、2024年からは年8回に変更されます。決済システム委員会は、各四半期に1回開催されます。
準備銀行理事会
準備銀行理事会は、金融政策を決定する国の最高機関です。現在、メンバーはRBA総裁、副総裁、財務長官、非常勤6名で構成されています。非常勤6名は財務長官の任命によって決定します。総裁と副総裁の任期は7年、非常勤は5年。来年からは月曜日の午後から火曜日の朝までと開催期間が長くなり、火曜日の午後2時30分にプレスリリースが公開予定で、会議の議事録は2週間後に開示されます。最も注目される金融政策は、キャッシュレート目標(政策金利目標)の設定であり、2023年12月の会合では据え置きの4.35%が示されました。
引用:RBA Cash Rate Targetホームページ( https://www.rba.gov.au/statistics/cash-rate/ )
上図は、2000年から2023年までのキャッシュレート目標の推移を表した図です。
Covid-19の流行によって、2020年11月に0.10%まで利下げをした後、インフレの過熱により2022年5月から利上げを開始し、2023年末は4.35%まで上昇しています。
オーストラリアのインフレ率
各国パンデミック後に量的金融緩和を行った反動で、インフレ率が急騰し、インフレの鎮静化に手を焼いています。オーストラリアも同じく苦戦を強いられており、2023年10月のインフレ率は前年比+4.9%と高止まりしています。RBAのインフレ目標は、数年間の平均で前年比+2~3%に収めることを1990年代初頭から決定しています。
引用:オーストラリア労働省 月次消費者物価指数指標11月プレスリリース
( https://www.abs.gov.au/statistics/economy/price-indexes-and-inflation/monthly-consumer-price-index-indicator/latest-release#data-downloads )
上図は、2019年10月~2023年10月までのインフレ率の推移を表した図です。
2021年1月から大きく上昇し、2022年12月には前年比+8.4%まで上昇しました。その後、+4.9%まで低下するも目標までは遠い状況です。
準備銀行理事会の12月プレスリリース
12月の会合では、キャッシュレート目標は据え置きでした。11月の会合では4カ月ぶりの0.25%利上げを行いましたが、インフレおよび賃金上昇率が落ち着いている事から今回の利上げは見送られました。しかし、住宅価格の上昇と新規住宅ローン件数の上昇が先月まで確認されたことからコアインフレの高止まりを警戒しているとコメントがありました。
まとめ
オーストラリア準備銀行(RBA)は、オーストラリアの中央銀行であり、「通貨の安定」、「完全雇用の維持」、「国民の経済的繁栄と福祉」、「金融および決済システムの管理」を金融政策によってコントロールする国の最高機関です。現在はパンデミック時に行った量的金融緩和の反動によるインフレの高止まりに対処するために4.35%と高いキャッシュレート目標を設定しています。長期目標インフレ率2~3%までの金融政策動向に注目です。
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