2026年最新の豪ドル米ドル見通し:豪ドルを取り巻く環境に大きな変化
この記事の著者
DZHフィナンシャルリサーチ 為替情報部 アナリスト

大学卒業後の2004年に国内証券会社に入社。

外国為替証拠金取引業務に携わった後、金融情報サービス会社にて個人投資家向けの為替情報配信業務を担当。市況サービスのほか、テクニカル分析を軸にした情報を配信する。

国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト。

為替の仕組み

今回解説していく通貨は豪ドル米ドル(aud/usd)です。テクニカル面でみると、ついに2021年から形成されてきた下落トレンドが終了。上昇トレンドへと転換しました。短期的な調整リスクはあるものの、今後も押し目買い戦略が有効となるでしょう。

ファンダメンタルズを確認すると、豪準備銀行(RBA)は2年3か月ぶりに金融引き締めを決断。こちらも数年来の方針転換となり、豪ドル米ドル相場を取り巻く環境が大きく変化しています。



まずは豪州の現在の金融政策状況を確認していきます。

豪準備銀行(RBA)は2022年5月に金融引き締めを開始。2023年11月に政策金利を4.35%まで引き上げて、2025年2月から金融緩和局面へと移行しましたが、今年2月の会合で再び金融引き締めへと転じました。現在の政策金利は3.85%です。

●RBAは2月に開催された直近の会合で2年3カ月ぶりとなる政策金利の引き上げを決定しましたが、その際の声明文では

・インフレ率は当面目標を上回る水準で推移する可能性が高い

・世界経済と金融市場の動向、国内需要の動向、インフレと労働市場の見通しを綿密に注視する

・理事会はデータと見通しおよびリスクに関する評価の推移を注視し、意思決定の指針とする

などの見解が示されました。

また、RBAのブロック総裁はその後の会見で「インフレの勢いが強過ぎる、放置するわけにはいかない」「インフレがさらに持続した場合は追加利上げが必要となる可能性がある」などと言及。

今後の金利引き上げペースに関してはインフレ動向などを確認しながら慎重に見極めていく必要がありそうです。なお、RBAは四半期報告でインフレ見通しを上方修正。最新の見通しによるとインフレ率は今年6月に4.2%、12月に3.6%、2027年6月に2.9%となっており、インフレ目標(2-3%)の範囲内に収まるのは早くても来年以降としています。



下図のチャートは豪ドル米ドルの週足チャートになります。

2021年2月高値を始点とする下落トレンド(チャート上の青色実線)が続いていましたが、昨年12月には同トレンドラインを上抜け。さらに今年に入ってから2024年9月の直近高値(チャート上の丸で囲った部分)も上抜けており、2021年来の下落トレンドは終了したと考えて間違いなさそうです。

また、チャート下部に追加した「DMI」で確認しても現在は+DI>-DI(上昇トレンド)を示唆。トレンドの強さを示すADXも上昇基調へと転じており、足もとの上昇トレンドが強まっている様子がうかがえます。



ここからは短期的な視点から見ていきます。下図は豪ドル米ドルの日足チャートです。

チャート下部に追加した「DMI」で確認すると明確な上昇トレンド(+DI>-DI)を示唆。現在は昨年2月安値を始点とする比較的穏やかな上昇トレンド(チャート上の青色実線)から昨年4月安値を始点とする上昇トレンド(チャート上の黄色実線)へと移行しており、上昇の勢いが増している模様です。

一方でチャネルラインなどから考慮すると、現状からいつ短期的な調整が入ってもおかしくはないようです。短期的な調整リスクを警戒するとともに、その後の押し目買いのチャンスとして生かしましょう。



最後に今後1カ月間の重要イベントを確認しておきます。期間内に豪米両国の金融政策公表はなく、次回の豪準備銀行(RBA)理事会は3月16-17日、米連邦公開市場委員会(FOMC)は3月17-18日に予定されています。

また、米国に関しては政府機関の一部閉鎖によって延期されていた1月分の雇用統計が本日(11日)に予定されており、通常と違う日程となっているため注意しておきましょう。

その他のイベントは以下の通りとなります。

今後1カ月の重要イベント

2月11日 米国 1月豪雇用統計

2月13日 米国 1月消費者物価指数(CPI)

2月25日 豪州 1月CPI

3月6日 米国 2月豪雇用統計

3月11日 米国 2月消費者物価指数(CPI)


本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※本記事は2026年2月11日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。


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