テクニカル面から見た、2026年のドル円相場見通し
川畑 琢也
この記事の著者
DZHフィナンシャルリサーチ 為替情報部 アナリスト

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

為替の仕組み

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。

さて、今回は番外編です。

2026年を前に、テクニカル面から見たドル円の見通しです。

1年を振り返ると2025年も毎年のごとくあわただしく、トランプ関税や首相交代など、予想困難な材料が多数出てきました。

予測不能なファクターが多いことから年間予想は当たらないものではありますが、あえて見てゆきたいと思います。

皆様の参考になれば幸いです。



時間のない方はここだけでも。まとめです。

2026年の予想レンジ:139-162円

2024年の高安の中での往来が継続、概ね140-160円の横ばいトレンドという見立て



まずは、2025年の動きを振り返りたいと思います。

詳細は以下をご覧いただきたいと思いますが、24年の高安の中での往来が続きました。

1月10日に158.87円まで上昇するも、7月に付けた2024年高値161.95円には届かず。

その後は米国の利下げ観測によるドル売りと日銀の利上げ観測による円買いが合わさり4月に139.89円まで下落するも、9月に付けた2024年安値139.58円が目先のサポートとして意識されると下げ渋りました。

その後しばらくじり高での推移が続きましたが、米追加利下げ観測の後退を手掛かりに24年高値からの抵抗線を突破すると、12月の日銀金融政策決定会合後の植田日銀総裁の会見で今後の利上げ見通しについて具体的な言及がなかったことで円売りが活発化。19日に157.78円まで上昇して11月20日高値157.89円に迫りました。

※Trading Viewより



先ほども触れました通り、25年の高安が24年のレンジ内で収まっていることからも、足元のトレンドは横ばいであることが示されています。

ダウ理論を持ち出すまでもなく、次のトレンドが見えてくるまでは、来年も引き続き、概ね140-160円のレンジ相場を予想したいと思います。

レンジなので上下どちらかのブレイク待ちではありますが、レンジの前は上昇トレンドであった点を考えると、下抜けよりも上抜けのほうに注意を払う必要があるでしょう。

もし上抜けとなった場合は上昇トレンドの再開が見込まれます。



また、以前から個人的に注目しているのが、現在の相場は「逆プラザ合意」ではないかという点です。

1985年のプラザ合意後は上値を切り下げる展開となりましたが、2011年を境に下値を切り上げる動きとなっています。

仮にそうだとすると、プラザ合意後に下げた分の戻りを試す動きも想定されます。

以下、主な目標値です。

161.95円:2024年7月高値(レンジ上限)

169.08円:1985年2月高値262.80円-2011年10月安値75.35円の下げ幅1/2戻し

170.23円:360円-75.35円の下げ幅1/3戻し

174.03円:23年1月安値から24年7月高値161.95円の上げ幅を、同年9月安値139.58円に加えた値(N計算値)

177.05円:1978年10月安値

184.09円:360円-75.35円の下げ幅38.2%戻し

184.32円:2024年7月高値-同年9月安値のレンジ幅倍返し



サイクル面からみると、20年3月安値101.19円を起点とするサイクルは、24年9月安値139.58円で終了し、その期間は54カ月でした。

ここ50年程の平均期間は約63カ月である点を踏まえると、少し短いですが妥当といえます。

25年12月時点では、底を付けた次の月の24年10月から数えて15カ月経過しています。

前述の平均63カ月(応答月は29年12月)を当てはめると、中間地点(27年5月)はまだ先であり、レンジを上下どちらかブレイクすると、そこから本格的なトレンドが発生するかもしれません。

ただし、前述の中間地点を超えてもレンジ継続となるようならば、足もとで進行している平均63カ月のサイクルは「横ばいトレンド」との見方が一段と強まることになるでしょう。



ここで気になるのが、サイクル面での経過時間です。サイクルは一般的に、小さいサイクルはより大きいサイクルの応答タイミングの影響を受けるとされています。もし24年10月からのサイクルが198カ月サイクルの影響を受けた場合に、計算上は43カ月でサイクル終了となります。198カ月サイクルに吸い寄せられる形となるのか見てゆきたいところです。

※Trading ViewをもとにDZHフィナンシャルリサーチ作成



一方、リスクシナリオも存在します。

レンジ下限を割り込んでしまうようならば、198カ月サイクルの応答タイミングを意識しつつ下落局面に入る事も考えられます

その場合、130円や125円などの心理的節目を試しつつ、レンジ幅の倍返しとなれば単純計算で120円処を見据えた動きもあり得ます。

主な下値めどは以下の通りです。

150.77円:24年7月高値161.95円-同年9月安値139.58円の値幅22.37円の中間地点(レンジ中間地点)

139.58円:24年9月安値(レンジ下限)

128.87円:11年10月安値75.35円-24年7月高値161.95円の上昇幅86.6円の38.2%押し

127.23円:23年1月安値

117.21円:24年7月高値161.95円-同年9月安値139.58円の値幅22.37円の倍返し



なし


本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※本記事は2026年12月26日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。


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