
テクニカル分析判断 サマリー: ●短期:依然として根強い上昇局面にあるものの、「ステージは終盤」の兆候出来 ●中期:上昇優勢の展開が再来する […]
【2/27-3/3 のドル円レンジ:135.26~137.10円】
・2月27日~3月3日週にドル円の値幅は1円84銭にとどまり、その前の週の2円60銭から縮小しただけでなく、ドル高・円安の展開から切り返した。同週の終値は135.83円と、2022年10月21日の高値151.94円と2023年の安値127.72円の38.2%戻しにあたる136.50円をクリアに抜けられず。週足でみると、1月16日週から6週続伸した後、2月27日週に下落に反転した。
・タカ派の最右翼として知られるミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁が3月1日、0.25%と0.5%利上げいずれの利上げ幅に対し「オープン」と発言したため、米10年債利回りが3月1日に4%を超えるなど米金利の上昇に押され、ドル円もつれて上昇した。
・FF先物市場で、3月、5月、6月に加え7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで0.25%ずつ、4回連続で合計1.0%の利上げを行うとの観測が高まっただけでなく、年内利下げ期待が払しょくされ、米金利とドル円の上昇を促した。
チャート:3月1日時点でのFF先物市場での利上げ観測
・3月2日、ドル円は22年12月20日以来となる137円を突破し、一時137.10円をつけた。しかし、同日にハト派寄りと目されるアトランタ地区連銀のボスティック総裁が「0.25%利上げを支持」と発言してから、徐々にドル円は売りが優勢に。3月3日には、米2月ISM製造業景況指数が前月を下回ったほか、米2月総合PMIも速報値を下回るなど、1月分の経済指標より芳しくない結果となったことでドル円は135円台へ下振れした。
・合わせて、FF先物市場での利上げ織り込み度も、3月、5月、6月の3回連続、合計0.75%の利上げの見方に戻したが、年内は据え置きとの観測を維持した。
チャート:FF先物市場、3月2日の利上げ観測は年内3回連続で利上げを行い、FF金利誘導目標を5.25~5.5%で据え置きとの見方に傾く
チャート:ドル円の日足チャート、3月2日に137円を突破もその後は上げ幅を縮小(白い枠が2月27日週の動き)
・Fed高官からは、堅調な米景気動向を示した米1月個人消費支出などの指標結果の流れを受け継ぎ、利上げ継続の必要性を説く発言が優勢だった。欧州中央銀行(ECB)からは、ラガルド総裁やデギンドス副総裁など、利上げ継続の可能性を示唆する発言を確認したものの、引き続き独連銀総裁やクロアチア中銀総裁、エストニア中銀総裁がタカ派寄りだった半面、仏中銀総裁や伊中銀総裁は今後の利上げ幅に慎重な姿勢を表明した。日本からは植田日銀総裁候補を始め日銀正副総裁の発言を確認するなか、引き続き現状の緩和策が適切との見解が示された。
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