
目次Executive Summary1.先週の為替相場の振り返り=ドル円、米指標に反応し下落も総じて小動き2.主な要人発言3.主な経済指標 […]
【4/3-7のドル円レンジ:130.63~133.76円】
・4月3~7日週のドル円の値幅は3円13銭と、その前の週の3円19銭を小幅に下回った。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する“OPECプラス”は4月2日、日量約116万バレル(世界需要の約1%)の追加減産を行うと発表した結果、週明けに一時133.76円と約3週間ぶりの水準へ上昇。しかし、以降は米3月ISM製造業景況指数など弱い米経済指標を受けて上げ幅を縮小し、一時は130.53円まで下落した。グッドフライデー(米株は休場、米債は短縮取引)に発表された米3月雇用統計は堅調な結果だったものの、戻りは132.38円にとどまった。
・4月3日、OPECプラスによる追加減産に発表を受け、東京時間に一時133.76円と約2週間半ぶりの水準を回復した。しかし、25日移動平均線、100日移動平均線、並びに一目均衡表の基準線に上値を阻まれた。さらに、同日NY時間に発表された米3月ISM製造業景況指数が2020年5月以来の低水準だったほか、コロナ禍を除けば2009年以来の落ち込みとなったため、132.20円台まで下落した。
チャート:米3月ISM製造業景況指数、非製造業景況指数、特に非製造業の50割れは景気後退のサインとして注目される
・4月4日、米2月求人件数が993.1万件と約2年ぶりの低水準だったことから、ドル円は下げ幅を拡大。
チャート:米2月求人件数が減少、労働市場の減速を示唆か
・4月5日には、米3月雇用統計の前哨戦となる米3月ADP全国雇用者数が市場予想を下回ったほか、米3月ISM非製造業景況指数も51.2と景気判断の分岐点となる50割れが迫ったため、ドル円は一時130.63円へ下落した。
・4月6日、米新規失業保険申請件数が前週比で減少した結果、ドル円は買い戻し。ただし、米新規失業保険申請件数は季節調整の手法変更を受けて2月3日週以降、19万件台を中心とした推移から、20万件台へ増加していた。
・4月7日、グッドフライデーを受け米株市場が休場、米債市場が短縮取引のなか、米3月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)が23.6万人増と、市場予想の23.9万人増とほぼ変わらず、さらに失業率が前月を下回る3.5%だった内容を受けて買い戻しが再開。ただし、132.38円までと一目均衡表の雲の下限を超えたところで上げ止まり、引け値では同水準を下回った。
チャート:ドル円の日足チャート、買い戻しが優勢に(白い枠が3月27日週の動き)。
・米国からは、OPECプラスによる追加減産を受け利上げ継続が適切との見解が聞かれた。ECB高官からは、引き続き利上げ幅について見方が分かれた。日本では、黒田日銀総裁の退任を前に政府・日銀の共同声明(アコード)に関する言及があったものの、新体制の日銀と議論していく姿勢を強調するにとどめた。
〇米国の経済指標⇒米3月ISM製造業景況指数、同非製造業景況指数、米2月求人件数、米3月ADP全国雇用者数など、そろって市場予想以下の数字が並んだ。米3月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)はほぼ市場予想通り、失業率は前月を下回る3.5%と堅調な結果だったとはいえ、全体的に労働市場の減速を示す内容だった(今週のトピックをご参照)。
〇欧州の経済指標⇒3月製造業PMI改定値はユーロ圏と独でそろって市場予想を上回った半面、3月サービス業PMI改定値は逆に市場予想以下に終わり、まちまちな結果となった。独2月鉱工業生産は、製造業PMIの改定値通り、改善した。一方で英国は、3月製造業PMI改定値が予想以下、サービス業を市場予想を上回った。
〇日本と中国の経済指標⇒日銀短観で、大企業製造業の景気判断 5期連続で悪化し、景気減速が示唆された。一方で、中国3月財新サービス業PMIは市場予想と前月を上回っただけでなく、約3年半ぶりの高水準となった。ただし、企業信頼感を示す指数は3カ月ぶりの低水準で、手放しで歓迎できる結果ではないとの見方もある。
〇オセアニアの経済指標⇒豪準備銀行(中銀)は、市場予想通り政策金利を据え置いた。一方で、NZ準備銀行(中銀)は、市場予想0.25%利上げに反し0.5%の追加利上げを決定。結果を受け豪ドル/NZドルは年初来安値を更新したように、金利差拡大を受け豪ドル売り・NZドル買いが膨らんだ。
今週の為替見通しに関しては、レポートの完全版をご覧ください。
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