
目次テクニカル分析判断ファンダメンタルズ分析判断 テクニカル分析判断 先週の週間推移は「寄付132.00:127.47~132.87:引値1 […]
【4/10-14のドル円レンジ:131.83~134.05円】
・4月10~14日週のドル円の値幅は2円22銭と、その前の週の3円13銭から縮小した。ただし、上値を切り上げ一時約1カ月ぶりに134円台を回復した。
・週初は、米3月雇用統計が堅調な労働市場を示した流れを受け継ぎ買いが優勢に。植田新日銀総裁が緩和政策を維持する姿勢を打ち出したことも、政策修正期待をはく落させドル円でのドル買い・円売りを促した。
・4月12日には、米3月消費者物価指数(CPI)の発表を控え一時134.05円と約1カ月ぶりの水準へ上値を拡大。しかし、米3月CPIは前年同月比が約2年ぶりの水準に減速したほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で当局者の一角が米地銀の流動性危機をめぐり懸念を表明していたため(今週のトピックスをご参照)、以降は上げ渋り。ただし、5月FOMCで0.25%利上げ観測が根強いなかで、米10年債利回りが上昇したため、下値も限定的だった。
・4月14日に米4月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値の上昇と1年先のインフレ期待が前月の3.6%→4.6%へ急伸したほか、ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事が一段の引き締めが必要との発言を受けても、133.80円台に切り返すにとどまった。
チャート:米4月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は1年先インフレ期待が急伸
チャート:ドル円の日足チャート、米10年債利回りにつれて買い戻し(白い枠が3月27日週の動き、緑線は米10年債利回り、左軸)。
・米国のFed高官からは、あと1回の利上げをめぐる発言が相次いだが、シカゴ連銀総裁やフィラデルフィア連銀総裁など利上げ打ち止めを示唆する内容も確認した。欧州中央銀行(ECB)当局者の発言は、利上げ方向を打ち出すも、今後については引き続き意見が分かれる状況。日銀の植田新総裁は、政府・日銀アコード(共同声明)の修正の必要なしと発言したほか、イールド・カーブ・コントロールやマイナス金利など現状の政策が適切と発言し、市場での緩和修正期待の後退を誘った。
〇米国の経済指標⇒米3月消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回り、前年同月比は約2年ぶりの低水準だった。米3月生産者物価指数(PPI)も前月比0.5%低下し、2020年4月以来の落ち込みを記録。インフレ減速を裏打ちする結果が優勢にみえたが、週末の米4月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値で1年先インフレ期待が1%ポイントも上振れし、市場での5月FOMCでの利上げ打ち止め観測に冷や水を浴びせた。ただ、米3月小売売上高や米3月鉱工業生産(製造業が弱い)などは、米景気の鈍化を示唆した。
〇欧州の経済指標⇒ユーロ圏3月小売売上高や同3月鉱工業生産が市場予想を上回り、ユーロ圏景気の底堅さを確認した。英指標の結果は、まちまちだった。
〇日本と中国の経済指標⇒本邦2月経常収支は2カ月ぶりの黒字だったが、市場予想に届かず、引き続き貿易赤字が圧迫している様子を確認した。中国3月消費者物価指数は市場予想以下にとどまり、需要が当初の期待より高まっていない状況を示唆した。一方で、中国3月貿易黒字は輸出が予想以上に堅調だったものの、輸入は市場予想ほどではなかったが減少していた。
〇オセアニアの経済指標⇒豪3月失業率は市場予想より高結果となり、米労働市場が底堅い様子を示した。
今週の為替見通しに関しては、レポートの完全版をご覧ください。
ようこそ、トレーダムコミュニティへ!