
FX取引は資産運用の一つです。資産運用する時にとても大事なのは言うまでもなく、リスク管理です。リスクを減らす方法の一つが分散投資であり、FX […]
【3/27-3/31のドル円レンジ:130.40~133.59円】
・3月27日~31日週のドル円の値幅は3円19銭と、その前の週の3円36銭を小幅に下回った。シリコンバレー銀行(SVB)やシグネチャー銀行の経営破綻を受けた金融不安が後退するなか、両行の買収先が決定したこともあって、リスク・オン相場が復活。ドル円は円安・ドル高へ方向転換した。
・3月26日、米預金保険公社(FDIC)は経営破綻したSVBについて、ファースト・シチズンズ・バンクシェアーズ(以下、ファースト・シチズンズ)による買収で合意したと発表した。SVBの資産1,100億ドル、預金560億ドル、ローン債権720億ドルを引き受ける。ただし、FDICによれば、ファースト・シチズンズはSVBの資産720億ドルを165億ドルのディスカウントで購入する。また、900億ドル相当の米国債などの有価証券は、FDICが引き続き保有する。商業ローンをめぐっては、FDICとファースト・シチズンズとの間で損失分担契約を結んだ。入札が難航していたが、破綻から約2週間を経て漸く決着した。
・ファースト・シチズンズの総資産は2022年末時点で1,104億ドルと、同じく破綻したシグネチャー銀行に次いで米30位だった。今回、SVBの買収により総資産規模は2,190億ドルへ増加し、14位に躍り出る見通しだ。
チャート:ファースト・シチズンズの株価、3月27日に大きく窓を開けて急伸、株価は2倍近くに
・3月27日以降、SVB買収を受けてドル円は投資家心理が好転し買い戻し基調に。28日に予定する米上院銀行委員会向けの議会証言原稿が事前に発表され、米当局が「全て預金」について安全確保にコミットするとの文言を受け、買い安心感が広がった。
・3月28日に、バイデン大統領が銀行危機は「まだ終結せず」と発言したものの、影響は限定的。セントルイス地区連銀のブラード総裁が銀行問題より物価上昇に対応する姿勢を強調したことも、ドル円の買い戻しの流れを支え影響は限定的。翌29日にバーFRB副議長がSVB破綻をめぐり、経営陣だけでなく銀行監督や規制当局を含めた全ての失敗と発言するも、パウエルFRB議長が共和党議員に対し年内あと1回の利上げを行う方向を示唆したと報じられ、ドル円の上昇を促した。
・3月30日には、米新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったものの、3名のFed高官が利上げ示唆を打ち出し、ドル円を支えた。ミネアポリス地区連銀総裁は、インフレ抑制へ「さらにやるべきことある」と発言したほか、ボストン地区連銀総裁は「あと1回利上げし年内維持、 利下げの根拠確認していない」と明言。また、リッチモンド連銀総裁も、インフレ・リスクが続けば「追加利上げで対応可能」と述べた。
・3月31日には、ロンドン時間に一時133.59円まで上昇。ただし、米2月PCE価格指数はコアを含め市場予想と前月を下回り、同個人消費も鈍化したため(今週のトピックをご参照)、132円後半で週を終えた。
チャート:ドル円の日足チャート、買い戻しが優勢に(白い枠が3月27日週の動き)。
・Fed高官からは、SVBなどの米銀破綻を受けながら利上げの必要性を説く声が聞かれた。欧州中央銀行(ECB)高官も、利上げ幅について意見は分かれつつ利上げ方向を示唆した。日本からは、岸田首相による新資本主義に関する発言を確認した。
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