Weekly Report(10/16):上昇圧力は根強く継続も、自律調整的なピークアウトは着実に接近
Weekly Report(10/16):上昇圧力は根強く継続も、自律調整的なピークアウトは着実に接近
吉岡 豪麿
この記事の著者
ジーフィット 取締役CAO

国内大手金融機関の外国為替取引部門で外国為替、外国証券等のディーラーとして20年、海外金融機関でアセットマネージャーとして15年以上の経験を有する為替のエキスパート。貿易企業の経営者を経て、企業年金基金の資産運用を担当。2021年1月よりCAOとして投資助言部門を担当。

アナリストレポート

<テクニカル分析判断>   

サマリー:

●短期:根強い上昇圧力の残存で上値模索は継続も、自律的調整圧力も着実に増幅中

●中期:依然根強い上昇圧力は残存も、自律調整によるピークアウトは着実に接近

先週は「寄付149.10:148.17~149.82:終値149.55(前週比+0.24円の円安)となり

週足(後掲➋参照)では5週ぶりだった陰線から再びの陽転となった。ただ、前週2.88円

とその前の週の倍近い水準に拡大していた週間レンジは、先週1.65円とこちらは再縮小

に転じており、想定した変動率の高まりは見られず。この値幅縮小を受け前週比での高値

更新は10週連続で潰えたが、本年3月から続く中期上昇トレンドに著変は観測されず、

「依然として根強い上昇圧力が継続中」であることは否定できない。また、10月に入り

指摘し続けているように、月足(後掲➌参照)では「9月の終値(149.34)」が終値ベースで

32年ぶりの高値であった「昨年10月の終値(148.75)」を更新しているためザラ場の高値

(151.95円)の更新も充分に視野に入りうる状況。

但し、上昇/下落の過熱を示唆するRSIやストキャスティクスはかなり警戒すべき高水準

まで上昇(週足RSIは70超)した後、日足や週足では調整的な動きの兆候も既に観測され

始めている。

もちろん数多のテクニカル指標の大半が示すように「上昇圧力の根強さ」は依然として

強力であり今週も「上値トライ継続」の可能性は否定できない。ただし、既述の通り

徐々にではあるものの「上昇圧力の翳り・調整圧力の高まり」も顕現化しつつあるためピークアウトが接近している可能性は常に念頭に置いておく必要があろう。

以下では『短期・中期・長期の方向性』について各時間軸チャートによるテクニカルな

視点を中心にご案内。(今号の分析は2023/10/13のNY市場終値をベースに実施)

<以下の用語補足:「MA」=移動平均線、「RSI」=(上下への過熱を示す)相対力指数>

➊日足チャート:「21MA±4.32%のバンド」、「52MA & 200MA」、RSIを付記 

短期(1週間~1か月弱)の方向性上昇圧力は残存も上値の重さ/調整圧力が着実に増幅中

3月下旬から52MAとほぼ同じ傾きで続いている上昇トレンドは崩れる気配は無く依然と

して根強い上昇圧力が継続中であることは間違いない

但し、直近2ヶ月間終値で一度も下回れずに強力な支持線となっている21MA(赤い太線)

は今週148.80円超に上昇し現在値との差はさほどなくなった。仮にこの水準を終値で

下回るような局面となれば、中期的なピークアウトに直結する可能性が高まることになる

>>チャートの半ば金色の太い〇部分参照。21MAを終値で明確に抜けると勢いは加速

>>8月末から9月にかけ、ザラ場で21MAを下回る局面があった(緑の枠)が数日後には

その日の高値を更新。しかし、直近の事例では10/3の高値は今に至るも更新されていない

上値模索の継続は否定出来ないが「ピークアウト(転換点)に着実に接近中」と認識

>>>想定レンジ=今週:146.55~150.90 、今後1ヶ月:141.00~150.90 =

➋週足チャート:「21MA±4.32%/±7.41%/±9.87%のバンド & 52MA」、RSIを付記

中期(1か月~半年程度)の方向性急伸⇒反落がなくても、自律調整的下落局面は接近中

ここ3週70に張り付いていたRSIと共に、ストキャスティクスは『高水準で緑線が赤線

を下抜け(直近の黒枠部分=下落サイン点灯)』したとの認識

>>少なくとも(短期的にも)自律的な調整が接近している可能性は高いと判断

上値模索の継続は否定出来ないが「ピークアウト(転換点)に着実に接近」と認識

>>> 今後6か月間の想定レンジ = 137.10~153.30 ⇒ 137.70~151.50 =

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