Weekly Report(11/13):強力な上昇圧力が継続する中「バイイング・クライマックス」が接近中
Weekly Report(11/13):強力な上昇圧力が継続する中「バイイング・クライマックス」が接近中
吉岡 豪麿
この記事の著者
ジーフィット 取締役CAO

国内大手金融機関の外国為替取引部門で外国為替、外国証券等のディーラーとして20年、海外金融機関でアセットマネージャーとして15年以上の経験を有する為替のエキスパート。貿易企業の経営者を経て、企業年金基金の資産運用を担当。2021年1月よりCAOとして投資助言部門を担当。

アナリストレポート

<テクニカル分析判断>   

サマリー:

●短期:根強い上昇圧力の残存で更なる上値模索は継続も、自律的調整圧力は着実に増幅

●中期:根強い上昇圧力は残存も、自律調整を契機とする上昇の最終局面は着実に接近中

先週は「寄付149.34:149.30~151.59:終値151.53(前週比+2.19円の円安)となり

週足(後掲➋参照)で3週ぶりに(大幅な)陽線を形成(日足では5営業日連続で陽線)し、

上昇圧力は依然として根強く存続している」ことが改めて示唆された。

また、休載した10/30週には10/31に151.71円まで上昇し年初来高値を更新している。

(10/31の大幅な陽線は、今年2/3以来の大きさ:2.58円:という非常に力強いもの)

これは、10月初めから指摘してきた通り、月足(後掲➌参照)で「9月の終値(149.34円)が

昨年10月の終値(148.75円:終値ベースで32年ぶり高値)を更新したことによって、昨年

10/21の高値(151.95円@ザラ場)の更新も充分に視野に入りうる状況だったことが影響

していると思われ、既述の推移によって10月終値も151.62円と更に高値を更新した。

なお、10/30週に2.92円と想定通り大幅に拡大した週間レンジは、先週2.29円と僅かに

縮小したものの比較的高めの変動率が維持しており、当面高水準の継続を想定する。

一方で、上昇/下落の過熱を示唆するRSIやストキャスティクスはかなり警戒すべき水準へ

と上昇(週足・月足のRSIは70超)しているため、週足では既に自律調整的な動きの兆候

認められる。また、月足においてもストキャスティクスが昨年高値時点の水準を既に大きく

超過しており、いつ「上昇の最終局面」を迎えてもおかしくない状況となりつつある。

もちろん、数多のテクニカル指標の大半が示すように「上昇圧力の根強さは依然として

強力」であり今週も「上値トライ継続」の可能性は否定できない。ただし、既述の通り

徐々にではあるものの「上昇圧力の翳り・調整圧力の高まり」も顕現化しつつあるため

ピークアウトが接近している可能性は常に念頭に置いておく必要はあろう。

以下では『短期・中期・長期の方向性』について各時間軸チャートによるテクニカルな

視点を中心にご案内。(今号の分析は2023/11/10のNY市場終値をベースに実施)

<以下の用語補足:「MA」=移動平均線、「RSI」=(上下への過熱を示す)相対力指数>

➊日足チャート:「21MA±4.32%のバンド」、「52MA & 200MA」、RSIを付記 

短期(1週間~1か月弱)の方向性高値警戒感あるも「上昇の最終局面」を形成へ

3月下旬から52MAとほぼ同じ傾きで続いている上昇トレンドは崩れる気配は無く依然と

して根強い上昇圧力が継続中であることは間違いない

ただし、直近3ヶ月以上に亘り終値で明確に(=大幅にor複数日連続で)下回れずに強力

な支持線となっている21MA(赤い線)は今週150.30近辺に上昇。現在値との乖離は再び拡大

したものの、21MAを終値で明確に下回る展開となれば、下落が加速しやすくなり中期的な

ピークアウトに繋がる可能性が高まる

>>チャートの黒とエンジの太い〇部分参照。21MAを終値で明確に抜けると勢いは加速

⇒21MAを終値で明確に下回った時の下値目標:1) 149.14(52MA)、2) 147.27(10/3の安値)

ここ数週の展開ではRSIは概ね60台で安定。ストキャスティクスは短期間で上下動を

繰り返していたが、直近では「上昇サイン」が点灯中

上値模索継続可能性は残るが、依然として「上昇の最終局面にも着実に接近中」と認識

>>>想定レンジ=今週:149.25~152.85 、今後1ヶ月:146.55~153.75 =

➋週足チャート:「21MA±4.32%/±7.41%/±9.87%のバンド & 52MA」、RSIを付記

中期(1か月~半年程度)の方向性自律調整的な下落圧力が漸次蓄積(増幅)中

9/25週から昨年の終値ベースの高値(148.86)を更新中。同時にRSIは70超の水準に

張付いていたが、10/30週に僅かに軟化した後先週は再度70超へ反発した。これに呼応

する格好でストキャスティクスも下落サインが消滅しかけている(反転の可能性も)

>>>「再加速の気配が高まる上昇モメンタム」がどこまで持続するのかが焦点

上値模索継続の可能性は高いものの「上昇の最終局面にも着実に接近中」と認識

>>>「バイイング・クライマックス」、「上昇圧力のピークアウト」は着実に接近

>>> 今後6か月間の想定レンジ 138.00~151.50 ⇒ 139.20~153.75 =

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