
目次
はじめに
高度な音質や技術にこだわり、高品質なオーディオ機器の製造販売を行う株式会社final。
同社は、生産の80%以上を中国の工場に委託し、ドル建てでの仕入が原価の多くを占めるため、為替変動の影響を受けやすい事業構造。そんな中、トレーダム為替ソリューション(以下、トレーダム)をどのように活用しているのか、CFOの山田様にお話を伺いました。
これまで安定していた為替の急変動により、為替差損が発生。為替リスクへの問題意識の高まりと同時にトレーダムを導入。AIの為替トレンド予測が決め手に
ー オーディオ機器の開発から製造販売までされていらっしゃると思いますが、改めて事業内容について教えてください。
当社は、イヤホン・ヘッドホンの製造販売を行っています。イヤホン・ヘッドホンについて基礎研究を重ね、そこから得た研究結果を元に開発を行っています。
製造自体は、自社で工場を持っておらず、大半は中国の工場にて生産委託をお願いしています。そこで生産された製品を、日本国内を中心にアメリカやヨーロッパ、アジア等で販売しています。
ー 取引先と取引通貨を教えてください。
輸入については、生産委託をしている中国が主要な取引先であり、取引通貨は主に米ドルを使用しています。
輸出(販売)に関しては、中国の工場から香港の倉庫に納品された商品を香港から日本以外の海外へ輸出(一部は香港から日本経由で輸出)しています。取引通貨は主に米ドルですがヨーロッパとの取引ではユーロも使用しています。
ー 輸入(ドル円取引)にてトレーダムをご活用いただき、ありがとうございます。もし差し支えなければ、年商・外貨取引金額・ヘッジ金額(割合)をお伝えいただきたいです。
昨年度(2024年度)の年商は28億4-5千万円、輸入額は10ミリオンドル(約15億円)です。輸入額には、生産委託の際の仕入れ費用や研究開発関係の費用も含まれています。そのうち、7割ほどを為替ヘッジしています。
ー トレーダム導入前は、どなたがどのような方法で外貨管理(為替の読み、予約の実行など)をされていたのでしょうか。
私(山田氏)が入社したのは2023年8月ですが、その時点では為替ヘッジに関する体系的な取り組みは一切行われていませんでした。過去には銀行の提案でクーポンスワップによるヘッジを実施したこともあったようですが、社内に為替リスクを十分に理解している担当者がおらず、実質的に為替リスクヘッジが行われていない状況でした。
ー 為替リスクへの問題意識が高まった背景は何だったのでしょうか。
入社後、社内の状況を見ていて気になる点はいくつかありましたが、社長の話を聞く限り、これまではドル円相場が比較的安定していたため、為替リスクに対する意識はあまり高くありませんでした。しかし、2022年から2023年にかけて円安が進行し、特に2022年には為替差損も一定程度発生したことから、社長の中でも為替リスクへの問題意識が高まりつつありました。
また、会社の売上規模も拡大傾向にあり、2022年には年商23億円、2023年には約28億3~4千万円と年率10~20%で成長を続けていました。こうした背景から、「そろそろ本格的に為替リスクへの対応が必要だ」と判断され、私(山田氏)の入社に至りました。
ー 円安の進行や近年の大きな為替変動により、社内での為替リスクへの問題意識が高まったとのことですね。トレーダムの導入を決めてくださったきっかけも問題意識の高まりからでしょうか。
AIを活用した為替予測という手法が新しく、社長自身もAIなどの先端技術に関心が高かったことから、「これは良いのではないか」という話になりました。トレーダムのサービスについて話を聞いたところ、内容にも納得感があり、導入を決めました。

(製品写真 写真提供:株式会社final)
トレーダムのトレンド予測機能・想定レンジ・ヘッジガイドに使いやすさを実感。利益の安定的な確保に繋がっている
ー トレーダム導入時から変わらず、今も100%のヘッジ割合にてトレーダムをご活用いただき嬉しく思います。
実際にトレーダムを導入されて良かった点はどのようなところでしょうか。どの機能が一番お役に立っていますでしょうか。
① トレーダムの機能の中で、私が特に優れていると感じているのは「トレンド予測機能」です。今後の為替が円安方向に動くのか、円高方向に向かうのかを視覚的に示してくれる点が非常に参考になります。
② 想定レンジについては一長一短ありますが、大きく動く場面もある一方で、「大まかにどのあたりを想定すべきか」が把握しやすく、実務での使い勝手が良いと感じています。
③ また、トレーダムの「ヘッジガイド」では、数ヶ月先のフォワードレートの目安を一目で確認できるのが便利です。これまでは信頼性の高いフォワードレート情報を得るのが難しく、都度調べる手間がありましたが、トレーダムでは複数月分のレートをまとめて確認でき、実務効率が大きく向上しました。
ー トレーダムの機能がお役に立てているとのこと嬉しく思います。
品質にこだわり抜いている株式会社finalですが、トレーダムを活用することで、輸入コストで妥協することなく品質の維持ができているなど、御社の高い品質に貢献できている点はございますか。
企業として安定的に利益を確保していくことは不可欠です。当社では現在、生産の95%以上を中国に委託しており、製品の原価や製造コストはドル建てで決まっています。そのため、為替の変動は利益に直接影響を与える要因となります。こうした背景から、トレーダムを活用した為替ヘッジは、当社の利益を安定的に確保していく上で重要な手段となっています。
ー ありがとうございます。今後、さらにトレーダムに期待することはありますか。機能面やサポート面など幅広くお伺いできればと思います。
ある程度はやむを得ないことだと理解していますが、トレーダムの予想レンジが頻繁に変動する点は少し気になるところです。特に、半年〜9ヶ月先を見据えて為替予約を検討する際に、会議で確認したレンジが翌日やわずか1時間後には変わっていることがあります。
また、1ヶ月先〜半年先の円高・円安の傾向を示す分布図も、大きく変動することがあり、中期的な為替動向を前提にヘッジ戦略を立てる上では、数値の変動幅が大きいとやや使いづらさを感じる場面があります。
中長期の見通しについては、可能であれば予測値の変動頻度を抑えていただけると、より戦略的に活用しやすくなると感じています。
なお、この1年間トレーダムを使用してきた中で、サポートに関しては特に大きな不満はありませんでした。導入時のサポートも非常に丁寧で、安心して利用を開始することができました。
サポート面にご満足いただき、企業の利益安定にも貢献できているとのこと嬉しく思います。今後もトレーダムの活用を通じて、株式会社final様の為替リスク管理が一層進化し、安定した成長に繋がるよう努めてまいります。
本日は貴重なお話をありがとうございました!
株式会社final:https://final-inc.com/
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