【ドル円】割り切るためのストップ注文・・・たとえ割り切れなくても
川畑 琢也
この記事の著者
DZHフィナンシャルリサーチ 為替情報部 アナリスト

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

為替の仕組み

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。

さて、今回はドル円です。

トレードは「確率が高そうなほうにポジションを傾けるもの」と認識していますが、それでもうまくゆかないときはあります。

そうした中でのトレード記録です。

皆様の参考になれば幸いです。



早速ですが、2日にこう書きました。

ドル円、転換線が重く雲を下抜けてきた。出遅れた感じもするので売りは現在レート142.80円少量に留める。雲の下限143.76円まで戻したら少量売り上がり、損切りは転換線144.20円。

前週にドル円の買いポジションを損切りした後、流れは下向きになるかもと思って売り場を探していたところ、ちょうど日足・一目均衡表の雲の下限を下抜けました。

これを見て、目先は下値を探る動きを予想して売りでエントリーすることにしました。



その後はといいますと、思惑通り下押しましたが142.30円台で下げが一服してじり高の展開に移行すると、そのまま144円台半ばまで上昇。

その過程で指値に置いていた143.75円少量売りのみならず、ストップでセットしていた144.20円もまとめて成立してしまいました。

※Trading Viewより



ストップが成立した後ですが、そのまま上伸を続ければ「ストップがついたけど仕方ない」と思えますが、この時は再び142円台半ばに下押しています。

そうなると、「ストップの置いた水準が悪かった」ということにもなります。

私自身、「ストップが成立したら145円台に向かうと見ていた」というのもあります。

結論だけ言えば「何だかな・・・」です。

「あの時ストップを145.50円にしていれば・・・」など、今回ばかりは未練たらたらですが、相場なので仕方ありません。

そんな中、30分足を見ていたら、3日の安値となる142.38円まで下落後は堅調な推移となり、上値と下値を切り上げるリズムとなっていました。

この上昇過程で、指値キャンセル&保有ポジションの損切りを機動的にできればよかったのかもしれません。

※Trading Viewより

今回はリスクの取れる範囲内で出したストップ注文であったので、損失はコストの一部と割り切るしかありません。

誰もが「百発百中」とはいきませんので。

慌てず、気持ちを切り替え、つぎのトレードを探してゆきたいと思います。



なし


本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※本記事は2024年6月6日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。


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