
目次Executive Summary1. 先週の為替相場の振り返り=ドル円はOPECプラス減産で上昇後、上げ幅縮小2. 主な要人発言3. […]
【1/16-1/20のドル円レンジ:127.22~131.57円】
・ドル円は1月9~13日にレンジを切り下げた一方で、ボラタイルな展開に。16日こそ米国が“キング牧師生誕記念日”の祝日だったため動意薄だったが、18日には日銀の金融政策決定会合と、米12月小売売上高など重要な米指標の発表を複数抱え、1日の変動幅は約4円に及んだ。
・日銀の金融政策決定会合では、一部の市場関係者が長期金利の許容変動幅拡大やイールド・カーブ・コントロール(YCC)の撤廃を見込んでいたところ、大規模緩和策の据え置きを決定した。エコノミスト予想と一致したとはいえ、一部市場関係者の予想に反したことからドル円は128円半ば付近から急伸。午前11時40分頃の結果発表からわずか1時間半で一時131.57円と約3円も急騰した。
・しかし、NY時間に米12月小売売上高、米12月生産者物価指数(PPI)、米12月鉱工業生産、米地区連銀報告(ベージュブック、12地区連銀によるそれ景況報告、日銀のさくらレポートに相当)を控え、ドル円は徐々に上げ幅を縮小。NY時間に米小売売上高などが発表されると、一時127.56円まで急落した。
・20日には、日銀の黒田総裁が「物価安定の目標達成に向け緩和政策を維持すると発言したため、再びドル円に上昇圧力が掛かり、130.60円台まで切り返した。しかし、日銀金融政策決定会合後の高値の131円半ばには届かなかった。
・1月18日に約4円も急変動したドル円だが、それ以降、戻りを試す局面でもローソク足のヒゲ(青 or 赤で塗りつぶされた部分から突き出ている細い線)が上に長く伸びている点に注目。ローソク足とは、始値、終値、高値、安値で形成され、上下いずれにしても細い線が突き出ているということは、始値あるいは終値と比較し、高値や安値がかけ離れている状態を指す。つまり、1月18日と1月20日のローソク足は、上昇を試したものの売り圧力に屈したことを意味する。見通しのパートで詳述するが、ドル円の上値の重さを確認したと言えよう。
チャート:ドル円の2023年からの日足チャート、白枠が1月16日週。
・FRB高官からは、米12月CPI結果を受け次回米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を前回の0.5%から0.25%へ縮小する可能性が示唆され、ドル円の下落につながった。日本では黒田総裁が緩和政策維持を表明し、ドル円の買い戻しを招いた。
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