Weekly Report (2/6):短期的な底打ちの可能性が高まるも、下落トレンドは依然継続
吉岡 豪麿
この記事の著者
ジーフィット 取締役CAO

国内大手金融機関の外国為替取引部門で外国為替、外国証券等のディーラーとして20年、海外金融機関でアセットマネージャーとして15年以上の経験を有する為替のエキスパート。貿易企業の経営者を経て、企業年金基金の資産運用を担当。2021年1月よりCAOとして投資助言部門を担当。

マーケット分析
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テクニカル分析判断

先週は「寄付129.69:128.07~131.20:引値131.19(前週末比+1.32円の円安)」の推移となり、予想に反し3週連続の陽線を形成した。因みに、下掲の週足チャートをご覧頂ければお判りの通り「昨年10月のUSD/円ピークアウト後は3週連続の陰・陽線を形成していない」 (ピークアウト翌週の“十字線”は僅かながらも陽線)。更に、日足ではここ3ヶ月超の期間強力な上値抵抗線として機能していた[21MA]を終値ベースで大きく突破している。これらの事象は(少なくとも)短期的な「底打ち」の可能性を強く示唆していると考えられる。

しかし、短・中・長期の全ての時間軸で『USD/円相場は昨秋に下落トレンドに転換』していることは明らかな状況であり、ここ3週の事象を我々は以下のようにとらえている。

<USD/円が異常なペースで上昇していた昨年5月の3週連続陰線と真逆の現象ではないか?>

1月中旬以降「速度調節的な反発」の可能性に言及してきたが、トレンドの方向性や陰・陽の線は正反対となっているものの、RSIを含めた状況は昨年5月に類似(週足チャートご参照)しており、その(調整的展開)後は再び「(上昇)トレンドに回帰」していたことがわかる。

したがって、上値トライが先行する可能性が高いものの、その動きに持続性は乏しく比較的早い段階で(現在の潮流といえる)「USD/円下落トレンドに回帰」するものと判断している。

また、前週2.09円に急縮小していた週間レンジは3.13円まで再拡大しており、1月半ばまでのような変動率の高まりが今後見られるかもしれない。

以下では、いつも通り『長期・中期・短期の方向性』について各時間軸チャートを使用してテクニカルな視点を中心にご案内(前回と変化のないポイントやコメントは割愛)する。

(今号の分析は2023/02/03のNY市場終値をベースに実施しています)

<以下の用語補足:「MA」=移動平均線、「RSI」=(上下への過熱を示す)相対力指数>

1)月足チャート:「20MA±18.0%のバンド」、「60MA±30.0%のバンド」、 (下段に)RSIを付記

USDJPY M 20230203

長期(半年超~年単位)のトレンド判断:1月も陰線を継続。長期的な下落トレンドに著変なし

月足:●昨年10月のピーク時は20MA+18%と60MA+30%を同時に上回る未曽有の過熱状態

   ●一時85超まで過熱したRSIは中立領域へ低下(2/3: 57.5)も、依然下落余地あり

>>>今後も、上昇中の20ヶ月MA&60ヶ月MA)に向け次第に下落して行く展開を想定

>>> 今後1年間の想定レンジ = 111.00~139.80 ⇒ 111.00~139.20 =

2)週足チャート:「21MA±4.32%/±7.41%/±9.87%のバンド」&「52MA」、(下段に)RSIを付記

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