Weekly Report (6/26):『(上昇)過熱状態』に突入。少なくとも短期的には上昇局面も終盤へ接近
Weekly Report (6/26):『(上昇)過熱状態』に突入。少なくとも短期的には上昇局面も終盤へ接近
吉岡 豪麿
この記事の著者
ジーフィット 取締役CAO

国内大手金融機関の外国為替取引部門で外国為替、外国証券等のディーラーとして20年、海外金融機関でアセットマネージャーとして15年以上の経験を有する為替のエキスパート。貿易企業の経営者を経て、企業年金基金の資産運用を担当。2021年1月よりCAOとして投資助言部門を担当。

アナリストレポート

テクニカル分析判断

サマリー:

●短期:依然として根強い上昇局面にあるものの、「ステージは終盤」の兆候出来

●中期:上昇優勢の展開が再来するも、短期に続いて「上昇の過熱」状態に急接近

先週は「寄付141.69:141.21~143.86:終値143.73(前週比+1.89円の円安)

推移を辿り、週足は3週連続での陽線形成となった。ここ数か月「強力な上昇圧力

が根強く残存している証」としていた「前週比でみた下値の切り上がり」は3月の

最終週から13週間にわたってほぼ継続。更に、先週には7か月ぶりの戻り高値を

連続して更新した上に、上値の大幅な切り上げをも示現した。

5週前に我々が修正した中短期見通し『根強い上昇圧力は当初の想定より遥かに

強靭であるため、当面は上値トライが主流となる蓋然性が高い』がまさに本格化

してきたのだと言えよう。

しかしながら、日足での『RSI70超え』が再び出現するなど『上昇の過熱状況』が

改めて高値警戒感を招きつつあり、先週も指摘した通り『今後の更なる上昇には

幾つもの障壁が待ち受けている』今後は上昇抑制的な展開が増加しよう。

なお、2週前に1.70円まで縮小した週間レンジは、前週2.90円に急回復した後

先週も2.65円を維持したがあえて変動率の高まりを指摘するほどには至らず。

以下では『短期・中期・長期の方向性』について各時間軸チャートによるテクニカルな

視点を中心にご案内。(今号の分析は2023/06/23のNY市場終値をベースに実施)

<以下の用語補足:「MA」=移動平均線、「RSI」=(上下への過熱を示す)相対力指数>

➊日足チャート:「21MA±4.32%のバンド」、「52MA & 200MA」、RSIを付記

短期(1週間~1か月程度)の方向性根強い上昇局面にも「終盤」突入の兆候が出来

過去1年間で形成されていた『中期的に強力な上値抵抗帯』(青い□の帯)の上限を

終値で明確に突破して以降、逆にその水準が下値を強力に下支えする展開が継続。

先週も、連日“上値の切り上げ”を継続し強力な上昇モメンタムを維持』した。

●ただし、「ある(短期の)MAがより長期のMAを下回るデッドクロス(以下DC)とその

真逆にあたるゴールデンクロス(同GC)は、其々「“下落・上昇”のサイン」とされ

ているが、発生する(早遅の)段階によって示唆する意味合いが変化する場合がある

⇒チャートの黒い〇はDCエンジの〇はGCだが最も早く出現するのが①[21&52MA]

そのトレンドが継続すれば次に出現するのが②[21&200MA]、そして最後に現れるのが

③[52&200MA]。  当然ながら、そのトレンドの成熟度は番号順に高まってゆく

>>>昨秋~本年1月の下落トレンドをご参照。①②ではそれ以降も下値トライの

継続が見られたが、大きな下向きの矢印を付した③では『ほぼ底打ち』のステージ

(RSIも30近辺まで低下)にて出現していたことが見て取れる。

>>>一方、その後の上昇トレンドにおいては4月に一旦下落の①を挟んだものの

その後は順調に①②の出現を伴う上昇を継続中だった。しかし、当欄で指摘した通り

先週半ばには③のGCが出現(チャート右端の大きな上向きの矢印部分をご参照)

>>>また、次の上値メドの「142円台半ば」を難なく突破した上に、更なる目標の

「145円台半ば」(ピンクの太い水平線)をも伺う展開に入った模様。

>>>これに伴い、当然ながらRSIも警戒レベルの70を優に超過(73.3)してきた。

以上より、現在は本年1月半ばのステージ(黒い大きな下方矢印)とは真逆の局面

(エンジの大きな上方矢印)にあり『上昇局面は終盤に突入しつつある』と判断。

>>>想定レンジ=今週:140.85~145.35 、今後1ヶ月:137.10~145.35 =

➋週足チャート:「21MA±4.32%/±7.41%/±9.87%のバンド」&「52MA」、RSIを付記 

中期(1か月超~半年程度)の方向性短期に続いて「上昇の過熱」状態が着実に接近

黒い〇は下落、エンジの〇は上昇のサイン。今年に入ってからはエンジの〇が

大半であり、過去1年で形成された『中期的に強力な上値抵抗帯』(青い□の帯)の

上限を終値で明確に突破して以降は、調整的な下押しの動きに対しても、既述の

『抵抗帯』の中に入ると強力な押し目買い圧力により直ちに抵抗帯超の水準へ押し

上げられる展開。上昇の勢いは衰えず、先週も7カ月ぶりの戻り高値水準を更新。

●モメンタムは明らかに騰勢が優位。しかし[21MA]からの上方乖離([21MA+7.41%]

:145円台半ばへの急接近)やRSIの水準(66.6)などが着実に要警戒領域に接近。

●RSIは、緩やかながらも着実に上昇を継続し上記水準を回復。昨秋急落時の水準

および“上昇の過熱”を警戒すべき70に接近中で上昇余地は僅少となってきた。

>>> 今後6か月間の想定レンジ 126.30~145.50 ⇒ 126.90~145.80 =

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