Weekly Report (7/3):短期的には『(上昇の)過熱状態』に突入。局面は着実にピークアウトへ接近
Weekly Report (7/3):短期的には『(上昇の)過熱状態』に突入。局面は着実にピークアウトへ接近
吉岡 豪麿
この記事の著者
ジーフィット 取締役CAO

国内大手金融機関の外国為替取引部門で外国為替、外国証券等のディーラーとして20年、海外金融機関でアセットマネージャーとして15年以上の経験を有する為替のエキスパート。貿易企業の経営者を経て、企業年金基金の資産運用を担当。2021年1月よりCAOとして投資助言部門を担当。

アナリストレポート

テクニカル分析判断

サマリー:

●短期:依然として根強い上昇局面にあるものの、そのステージは「終盤」の模様

●中期:上昇優勢の展開が再来するも、短期に続き「上昇の過熱」状態に急接近中

先週は「寄付143.46:142.93~145.06:終値144.33(前週比+0.60円の円安)

推移を辿り、週足は3週連続での陽線形成となった。ここ数か月「強力な上昇圧力

が根強く残存している証」としていた「前週比でみた下値の切り上がり」は3月の

最終週から14週間にわたってほぼ継続。更に、上値の大幅な切り上げをも示現

7か月ぶりの戻り高値更新を先週も継続して見せた。

6週前に我々が修正した中短期見通し『根強い上昇圧力は当初の想定より遥かに

強靭であるため、当面は上値トライが主流となる蓋然性が高い』がまさに本格化

したものだと言えよう。

しかしながら、日足での『RSI70超え』が再び出現するなど『上昇の過熱状況』が

改めて高値警戒感を招きつつあり、前週も指摘した通り『今後の更なる上昇には

幾つもの障壁が待ち受けている』。  今後は上昇抑制的な展開が増加しよう。

実際、3週前から2.90円⇒2.65円と一定の変動率を維持していた週間レンジは、

先週2.13円とやや縮小し(長めの上ヒゲと共に)上昇圧力の疲弊を示唆した。

以下では『短期・中期・長期の方向性』について各時間軸チャートによるテクニカルな

視点を中心にご案内。(今号の分析は2023/06/30のNY市場終値をベースに実施)

<以下の用語補足:「MA」=移動平均線、「RSI」=(上下への過熱を示す)相対力指数>

➊日足チャート:「21MA±4.32%のバンド」、「52MA & 200MA」、RSIを付記 

短期(1週間~1か月程度)の方向性根強い上昇局面にも「終盤」突入の兆候が出来

黒い〇は天井形成、エンジの〇は底打ちの時点(共に短期的サイン含む)また、

「ある(短期の)MAがより長期のMAを下回るデッドクロス(以下DC)とその真逆に

あたるゴールデンクロス(同GC)にも一部付与(意味合いは先週分をご参照)。

◆天井形成の場合:①RSIが「70以上」か、その水準に接近している 

②その時点のレートが[21MA+4.32%]以上にあるか、その水準に接近している

◇底打ちの場合:①RSIが「30以下」か、その水準に接近している

②その時点のレートが[21MA-4.32%]以下にあるか、その水準に接近している

>>>少なくともチャートに表示した(非常に変動率が高かった)過去1年間は、

ほぼ上記2点の条件において「ピークアウト/ボトムアウト」を形成している

●昨年10/21の『ピーク(151.95)』と今年1/16の『ボトム(127.23)』の下落幅を

ベースとした戻り(反発)の目標値は「50%、61.8%、76.4%」などが一般的

>>『50%:139.59』は5/25に達成(チャートの右から2番目の黒い〇印)

>>『61.8%:142.51』は6/22に達成(「ピンクの太い水平線」のうちの下の線)

>>『76.4%:146.12』は上記「2本の太い水平線:ピンク」のうちの上の線

現在のモメンタム(≒勢い)なら、今週にも到達する可能性は充分ある

●ただし、この上値トライによって、既に警戒レベルに達しているRSI(71.1)も

さらに「上昇の過熱度合い」が高まることは確実な情勢

また、3本のMAとの上方乖離がかなり大きくなってきていることも併せて、

少なくとも短期的には『上昇局面は終盤に突入しつつある』と判断している

>>>想定レンジ=今週:141.15~146.25 、今後1ヶ月:138.30~148.80 =

➋週足チャート:「21MA±4.32%/±7.41%/±9.87%のバンド」&「52MA」、RSIを付記

中期(1か月超~半年程度)の方向性短期に続いて「上昇の過熱」状態が急速に接近

黒い〇は天井形成(速度調整的サイン含む)、エンジの〇は底打ちの時点を表示

過去1年強で形成された『中期的に強力な上値抵抗帯』(青い□の帯)の上限を終値で

明確に突破して以降は、調整的な下押しの動きに対しても、既述の『抵抗帯』の中に

入ると強力な押し目買い圧力により直ちに抵抗帯超の水準へ押し上げられる展開。

上昇の勢いは目立って衰えることなく、先週も7カ月ぶりの戻り高値水準を更新。

●モメンタムは明らかに騰勢が優位。しかし[21MA]からの上方乖離([21MA+7.41%]

:146円台前半への急接近)やRSIの水準(67.4)などが着実に要警戒領域に接近。

●RSIは、緩やかながらも着実に上昇を継続し上記水準を回復。昨秋急落時の水準

および“上昇の過熱”を警戒すべき70に接近中で上昇余地は僅少となっている。

●なお、チャートの2本の水平線(ピンク)は短期で説明したもの(以下)と同一。

昨年10/21の『ピーク(151.95)』と今年1/16の『ボトム(127.23)』の下落幅を

ベースとした戻り(反発)の目標値は「50%、61.8%、76.4%」などが一般的

>>『50%:139.59』は5/25に到達済(その後短期的な速度調整を経験)

>>『61.8%:142.51』は6/22に到達済(ピンクの太い水平線のうちの下の線)

>>『76.4%:146.12』は上記「2本の太い水平線:ピンク」のうちの上の線

>>> 今後6か月間の想定レンジ 126.90~145.80 ⇒ 128.70~148.80 =

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