Weekly Report(8/28):根強い上昇圧力によって「上値のメドを模索する展開」が依然続く
Weekly Report(8/28):根強い上昇圧力によって「上値のメドを模索する展開」が依然続く
吉岡 豪麿
この記事の著者
ジーフィット 取締役CAO

国内大手金融機関の外国為替取引部門で外国為替、外国証券等のディーラーとして20年、海外金融機関でアセットマネージャーとして15年以上の経験を有する為替のエキスパート。貿易企業の経営者を経て、企業年金基金の資産運用を担当。2021年1月よりCAOとして投資助言部門を担当。

アナリストレポート

<テクニカル分析判断>   

サマリー:

●短期:想定を超える根強い上昇圧力によって「上値メドの模索」が依然続く

●中期:当面強調維持も「ピークアウトは早晩訪れる可能性が高い」との見通しを継続

先週は「寄付145.35:144.53~146.63:終値146.43(前週比+1.05円の円安)となり

週足は4週連続の陽線を形成し、依然として根強い上昇圧力の継続が示唆されている。

ただし、先週半ばには前週の安値を下回る調整も観測されており、7月中旬から続いて

いた下値の切上りは5週連続で潰えた。まだ僅少ではあるものの「上昇力の減退」の

兆しが徐々に垣間見られるようになってきた。また、7週前に5.77円まで爆発的に拡大

した週間レンジは、その後4.27円⇒3.75円⇒3.20円⇒3.48円と比較的高水準を維持し

続けていたが、前週1.91円と急縮小の後、先週も2.10円と展開は落ち着きつつある

他の金融市場と同様に出来高の漸減が続いた外国為替市場だったが、今週も依然として

根強い上昇圧力によって「上値のメドを模索」する展開が先行・継続しやすいと見る。

なお、ここひと月ほど「見通しの再検証」についてお伝えしているが、先週末の再検証

では「(中期的な)ピークアウトは早晩訪れる可能性が高い」との結論に著変は無かった

ものの「その後の下落期間は比較的短命に終わり、我々が数年単位の超長期トレンドと

位置付けるUSD高/円安への転換・移行が本格化する」とのシナリオの蓋然性を検討中

<<<この点については、後段の「➌月足チャート分析」でも触れる予定>>>

以下では『短期・中期・長期の方向性』について各時間軸チャートによるテクニカルな

視点を中心にご案内。(今号の分析は2023/08/25のNY市場終値をベースに実施)

<以下の用語補足:「MA」=移動平均線、「RSI」=(上下への過熱を示す)相対力指数>

➊日足チャート:「21MA±4.32%のバンド」、「52MA & 200MA」、RSIを付記

短期(1週間~1か月弱)の方向性:根強い上昇圧力により上値メドの模索が先行・継続

黒い〇は天井形成、エンジの〇は底打ち(上昇)の時点(共に同色のRSI水準)を表す

長期的ピークアウト(151.95@昨年10/21)との前提のもと、3つの下落トレンドライン

・その上方突破認定時にエンジの〇・その時のRSIにも〇(水準により同色とは限らない)

◎(上下の方向を問わず)突破認定は『終値ベース・複数回連続』を原則としている

最初の鋭角的下落線の突破は今年1/30。以下主要な数値(2本目以降も同様)

終値130.42、②各MA:21/52/200=130.35 / 134.00/ 136.83 、③RSI=46.1

⇒3本のMAより低い水準。特に200MAとは大幅な乖離。③はやや低めの中立領域

(1本目より緩やかとなった)2本目の下落トレンド線の突破は約2.5か月後の4/17

①終値134.46、②各MA:21/52/200=132.26/ 133.46/ 136.77 、③RSI=58.2

21/52MAよりやや上。200より依然下にあるが乖離はかなり縮小。③は中立領域

(非常になだらかとなった)3本目の下落トレンド線の突破は更に約4か月後の8/11

終値144.93、②各MA:21/52/200=141.57 /141.58/ 136.38 、③RSI=65.1

3本のMAより高い水準。特に200とは8.6円もの乖離③は70に近い警戒領域

以上より、当面は「上値メドの模索が先行・継続」する可能性が高いと考えられるが

 そのタイミングも含めて、ピークアウトに向け着実に接近中と認識している

>>>想定レンジ=今週:144.30~149.25 、今後1ヶ月:140.55~150.90 =

➋週足チャート:「21MA±4.32%/±7.41%/±9.87%のバンド」&「52MA」、RSIを付記

中期(1か月~半年程度)の方向性下落再開に向け、ピークアウトの確認待ち

◎上記の日足と同様に、長期的ピークアウト(151.95@昨年10/21)との前提のもとで

3つの下落トレンドラインの上方突破の状況をより拡大して検証

(これも同様に、突破認定は『終値ベース・複数回連続』を原則としている)

最初の鋭角的下落線の突破は今年1/30週。以下主要な数値(2本目以降も同様)

終値131.19、②21MA/52MA=138.44 (-4.32%=132.45)/ 132.95、③RSI=42.6

⇒21MAより大幅に低い水準で21MA-4.32%と-7.41%の中間。③は低めの中立領域

(1本目より緩やかとなった)2本目の下落トレンド線の突破は約3か月後の4/17週

①終値134.10、②21MA/52MA=132.81/ 135.75、③RSI=50.3

⇒21MAと52MAのほぼ中間、③も中立領域のど真ん中に位置している

(非常になだらかとなった)3本目の下落トレンド線の突破は更に約4か月後の8/7週

終値144.93、②21MA/52MA=138.49 (+4.32%=144.45)/ 138.00、③RSI=63.3

21/52MAより大幅に高い水準で21MA+4.32%より上。③はかなり高めの中立領域

前週の終値をもって上方突破を確認。これをもって、上値抵抗線は上記3本目の

下落トレンド線から(3/19週から始まる)「上昇トレンド帯の上限(紫の太線)」に

移行したと認識。この線は今週から149円台に上昇するが近々にこの水準をトライ

する展開となれば、(現状では「ピークアウト近し」を示唆する要因は希薄だが)

RSIは➊~➌全ての時間軸で上昇の過熱を示す70超の水準へ上昇する見込み

現状では、依然として「上値メドの模索が先行」する可能性が高くそのタイミング

も含め、ピークアウトに向けて着実に接近中と判断している

換言すれば「ピークアウトを確認するまでは下落トレンドの再開は困難」とも言える

>>> 今後6か月間の想定レンジ 134.70~150.15 ⇒ 136.50~150.90 =

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