GFIT為替アナリスト 安田佐和子 がお届けするWeekly動画解説! 1週間のドル円相場の振り返りを踏まえて解説します。
化学品専門商社の株式会社ツカサペトコは、強固なグローバルサプライチェーンを構築し、五大陸へとビジネスを拡大しています。
今回は、森田社長にインタビューさせて頂き、昨年開設したばかりのシンガポールオフィスのお話や、「トレーダム為替ソリューション」を実際に利用された感想について伺いました。
(本社オフィス外観 写真提供:株式会社ツカサペトコ)
ー 事業内容について教えて頂けますか。
化学品、主に合成樹脂の原材料と一次加工品を取り扱っています。代表的なものは、売上の約半分を占めているペットボトルの原料となるPET樹脂原料です。韓国・台湾・ベトナムから仕入れ、日本のボトルメーカーや飲料メーカーに直接販売しています。
一部建設関連のビジネスに関しては、今期よりシンガポール子会社に移管し、三国間貿易を行っています。今では五大陸全てに取引があります。
ー なぜシンガポールで子会社を設立したのですか。
建築業界の需要が伸びていくのは、今後も圧倒的にASEANの新興国です。現在は建設関連ビジネスのオペレーションは全てシンガポールで行っているのですが、東南アジアの営業拠点としてシンガポールにオフィスを置くことはとても重要な意味があると思っています。
また会計上のメリットもあります。日本の法人であれば日本円で決算しないとならないため、外貨建取引をしていると必ず期末で為替評価が入ってしまい、その為替差損益は会社の業績に大きな影響を与えます。
一方で、シンガポールではUSドル建てで決算を行うことができるので、為替リスクを考える必要がないんです。会計上と営業の観点でもメリットが大きいと考え、シンガポールに一部のビジネスを移管しました。
(シンガポールオフィスの様子 写真提供:株式会社ツカサペトコ)
ー 為替ヘッジの一つの手段として、シンガポールにオフィスを設立されたのですね。
常に為替は意識しています。昨年までは、期末を迎えるのが怖い時もありました。シンガポールに法人を設立し、ビジネスを移管したことで、建設関連ビジネスにおいては為替のリスクヘッジができました。しかし、日本で行っている商売でも、95%は海外との取引なので、そちらの為替のリスクヘッジも大きなテーマとして残っています。
ー その様な状況で、弊社のトレーダム為替ソリューション(以下“トレーダム”)を導入いただきましたが、どのようにしてトレーダムを知ってくださったのですか。
価格傾向の分析や為替予測に、AIを活用するということに元々とても興味がありました。
PET樹脂原料もドル建てで契約をするのですが、価格の変動に関しても、過去のデータから学べることが沢山あるんです。例えば、冬は飲料のオフシーズンで市況が下がり、中国の旧正月から商戦が始まり回復していくのでオフシーズンで契約するのが得策だということが分かっています。その一方で様々な要因で毎年値動きが変わるので、為替リスクをヘッジすることで収益を安定させたいとも考えていて、そのようなシステムをAIで作れないかと考えていました。為替も根拠に基づいて分析したデータを導入したいと常々思っていたのですが、そのようなシステムを自社で開発するのは費用面でも難しそうだと考えていたタイミングで、営業担当の方からメールを頂いて、とても興味を持っていたのでお話を聞いてみたいと思いました。
ー ちょうどタイミングが良かったのですね。それまでは、森田社長がご自身で為替を予測されていたのでしょうか。
そうですね。前職の商社での経験をもとに30年以上自己流で行なってきたのですが、正直為替は失敗することの方が多く、動きが読めないです。
人間は欲と恐怖があるので、輸入だと少し円高の時に売りたいと考え、逆に輸出は円安のタイミングで早く予約したりすると、それが大体上手くいかないんです。
だからこそ根拠に基づいて、70-80%はデータをもとに、あとは経験を駆使して判断するのが良いと思っています。
私自身、為替の大きな判断をする時は眠れなくなっていました。ベッドでもスマホで為替チャートを見るために起きてしまったり・・・それでもうまくいかない時もあるので、為替に関してはある程度機械的に行なった方が理にかなっていると思っています。
ー トレーダムを導入して頂く決め手になったことは何でしょうか。
(先程の回答にあった)元々AIの為替予測に興味があったという点で、自社開発が難しい分、為替管理のみパッケージで提供してもらえるトレーダムはとても当社には合っていると思いました。
また、以前シミュレーションいただいた際に、トレーダムを利用した場合に利幅が大きく取れたという分析結果も出ていたので、効果に期待して、今後もぜひ使わせていただきたいと考えています。
為替の領域は人智を超えた世界だと思うので、オートマティックに行なった方が良いですね。
ー トレーダムの導入後、社内のオペレーションに変化はありましたか。
日々のフローとしては、基本的に毎日午前と午後に業務担当者がトレーダムのボードをチェックしていて、為替予約のレコメンドが出た場合は、自動的に為替予約を行うようにしています。 以前、為替予約は私(森田社長)が100%意思決定を行っていたのですが、現在は担当者も毎日トレーダムに入ってチェックしているので、結果として社員の為替に対する意識も高まっているのではないかと思います。会社全体の意識が高まることは副次効果的に非常に良いことだと思いますね。
ー ご担当者様の意識向上につながっていることはとても嬉しく思います。導入の際、社員の皆様の反応はいかがでしたか。
最初は為替ということもあり、オペレーションが複雑になると思っていた人が多かったのですが、オンボーディングが有効的で、しっかりと時間をかけて行なっていただいたのでスムーズに進んだのではないかと思っています。今も電話で問い合わせをしている件がありますが、導入後の問い合わせにも丁寧に対応していただいていると聞いています。
ー 嬉しいお言葉を有難うございます!実際に業績面での効果は感じられていますか。
今まで、推奨タイミングで予約したものは、スポットレートよりも円高で予約できているので、効果が出ており良かったと感じています。利幅が薄い取引においても赤字にならず済んでいるので、ビジネスの幅も広げることができています。
「トレーダム為替ソリューション」の導入により、為替リスクの不安を軽減し、ビジネスの幅が広がることを願っております。
ー 最後に今後のトレーダムに期待することはありますか。
現在リリースされている一年以内の短期のトレンドだけではなく、中長期の予測ができれば見通しを立てやすく、さらに良いと思います。
「トレーダム為替ソリューション」が外貨建取引及び為替による負担軽減に貢献できているとのお話を伺い、非常に嬉しく思います。
今後も株式会社ツカサペトコのお役に立てるよう、信頼できるソリューションを提供していきたいと改めて強く思いました。
貴重なお話をありがとうございました!
株式会社ツカサペトコHP:https://t-petco.co.jp/company/
※掲載内容はインタビュー当時のものです。
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