【ドル円】こちらも我慢のとき
川畑 琢也
この記事の著者
DZHフィナンシャルリサーチ 為替情報部 アナリスト

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

為替の仕組み

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。

さて、今回はドル円です。

前回のNZドル円(その時の記事はこちら)に続き、材料・チャート共に良さげと思って買ってみたものの・・・。

うまくいかない時は得てしてそういものです。

皆様の参考になれば幸いです。



早速ですが、2日の取引終了後にこう書きました。

ドル円、日足では雲の上限で支えられる中、昨日は転換線を上抜いた。昨日NY時間で147円台に下押すも一時的、日足で3連騰ということもあり、現在レート148.36円で少量買い。損切り候補は昨日NY時間安値の少し下147.90円、利確候補は機械的に1円上の149.36円。

材料としては、本邦政局の不安定化や次期政権が財政拡張的政策を採る可能性が高いことを手掛かりとした円売りが挙げられます。

テクニカル面では、日足・一目均衡表の雲の上限付近で底堅く推移して切り返したことが挙げられます。

これらを踏まえ、取引開始直後というタイミングではありましたが、3日に成行買いにすることにしました。

※Trading Viewより



指値の宿命として、指定レートに到達しないと約定しません。

当たり前ですが。

普段、最低限ストップにあたる逆指値を出していますが、今回は相場を見ることができない時間が多かったため、指値も出していました。

149円台に乗せる場面はありましたが短時間に留まり、対応できませんでした。

それが嫌ならずっと相場に張り付いてその場で決済するしかありませんが、その場で即決済という判断ができるかは別問題です。

高値を見た後のじり安で「待っていれば・・」と思ううちに相場はどんどん離れていく、という経験をした方は少なくないのでは。

どこかであきらめることも必要かもしれません。

話を戻しますと、その後ですが、NY市場で弱い米労働関連指標の発表を受けてドル売りとなる中、147.90円のストップが成立してクローズとなりました。

※Trading Viewより



ここから先ですが、材料面について、8日予定の「総裁選前倒しを求める議員の署名提出」に向けた政治動向が焦点となるようならば、一旦は円売りが落ち着くかもしれません。

また、今回は触れませんでしたが、今週発表された米雇用関連指標をみると、弱い内容が相次いだものの、ドル売りが盛り上がっているとは言いづらい状況です。

5日の8月米雇用統計は見逃せないのですが、足元のドル売りの勢いの弱さを踏まえると、仮に悪い結果であったとしても、売り一巡後に買戻しが優勢になるといった荒れた展開への備えは、いつも以上にしておいた方がよいのかもしれません。

※Trading Viewより



なし


本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※本記事は2025年9月5日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。


関連記事
「日銀利上げ慎重論」まだ関税の影響を見定める局面か

中立派とされる氷見野日銀副総裁の見解を受 Read more

FRB理事の解任騒動

米大統領、クックFRB理事の解任表明 ト Read more

ようこそ、トレーダムコミュニティへ!