【ドル円】飛び交うトランプ砲、見事巻き添えに
川畑 琢也
この記事の著者
DZHフィナンシャルリサーチ 為替情報部 アナリスト

2002年に商品先物会社に入社し外国為替証拠金取引(FX)部門に配属されたのを皮切りに、複数のFX会社・部門でディーリングや相場分析を始めとして様々な業務を担当。FX会社系総研ではシニアテクニカルアナリストとして従事、雑誌の連載やメディアへの出演などを行う。2023年にDZHフィナンシャルリサーチ入社。

為替の仕組み

イチオシ」内ではテクニカル分析を始めとしたトレードのアイディアを主に書いていますが、本コラムではその中で書けなかったことや、その後の振り返りなどに触れてゆきます。たまには番外編もあります。

さて、今回はドル円です。

トランプ氏が米大統領に就任し、「トランプ砲」がほぼ毎日飛び交うようになりました。

そうした中ですが、あえてドル円を買ってみました。

個人的な感覚で恐縮ですが、トランプ砲について、自衛隊の装備に例えると、普段は81ミリや60ミリの迫撃砲弾の印象でした。

ただ、今回はひときわ大きく、例えば155ミリのりゅう弾が飛んできた感じでしょうか。

皆様の参考になれば幸いです。



早速ですが、15日(14日のNYクローズ後)にこう書きました。

ドル円、本邦の財政拡張懸念での円売り、バンドの押し上げを見て現在レート147.76円で買い。147.20円や146.85円でも少量買い。ストップは146.50円。利確候補は200日線149円台後半。

ちょうど円売り材料が出る中、日足チャート上でボリンジャーバンド上限を押し上げる動き(エクスパンション)が出たので、ドル円を買ってみることにしました。

その後は思惑通り上昇して15日のうちに149円台に乗せると、16日に149.18円まで上値を伸ばしました。

※Trading Viewより



相場が149円台に上昇したのを見て、普段ならばストップを149円台前半から半ばに引き上げて様子を見ることがよくありました。

ただ、それによりストップ成立でクローズとなることが幾度かあったので、今回はあえて、ストップ幅の修正は微益が出る程度の147.95円に留めました。

しかし、16日のNY市場で流れが急変します。「トランプ米大統領は共和党議員にFRB議長解任の是非について尋ねた」との一部報道をきっかけとしてFRB議長解任観測が高まり、急速にドル安が進行

24時過ぎに少し席を外して戻ると、ドル円は大台が1円違う(1円超下落)という急落ぶりでした。

その急落に巻き込まれる形で、ストップが成立してクローズに。

思わぬ形での終了となってしまいましたが、不測の事態に備えるためのストップと考えれば、その役割は十分果たしたといえます。

※Trading Viewより



ユーロ円 172.40円(平均コスト)売り


本コラムは個人的見解であり、あくまで情報提供を目的としたものです。いかなる商品についても売買の勧誘・推奨を目的としたものではありません。また、コラム中のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はお客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※本記事は2025年7月16日に「いまから投資」に掲載された記事を、許可を得て転載しています。


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