―Executive Summary― 目次1.前週の為替相場の振り返り=ドル円、パウエル議長と不調な米30年債入札を受け151円台回復【1 […]
今回解説していく通貨はNZドル米ドルです。NZ準備銀行(RBNZ)は昨年5月に5.50%まで政策金利を引き上げた後、4会合連続で金利据え置きを決定。2021年10月から開始された現在の利上げ局面は終了へと向かっているように思われますが、RBNZは直近の会合で「利上げが再開されるリスクの高まり」「25年半ばまで利下げはないとの見通し」などを示しており、今しばらくは注意を要する必要がありそうです。では、チャート上でもNZドル米ドルの状況を確認していきましょう。
NZドル米ドル週足分析
下図のチャートはNZドル米ドルの週足チャートになります。前回の分析時(10月11日)からの推移を確認すると、長期視点では2021年2月高値を始点とする下落トレンド(チャート上の黄色実線)が継続中。昨年末にかけての上昇で下降トレンドラインのブレイクを狙ったものの、いったんは失敗した格好となりました。
ただ、今回のチャート下部に追加した「MACD」によると、現在はプラス圏に位置しており、完全に今回の上攻めが失敗に終わったと判断するのは早いかもしれません。今回の短期上昇トレンドが終了したのかどうかについて、日足分析で詳しくみていきましょう。
なお、現在の長期下落基調に基づいた今後の下値目標は昨年10月26日安値の0.5774米ドルや2022年10月13日安値の0.5512米ドル、2020年3月19日安値の0.5470米ドル(いずれもチャート上の丸で囲った部分)などとなりそうです。
NZドル米ドルの日足分析
今度は日足でも見ていきます(下図のチャート)。下降トレンドライン(チャート上の黄色実線)は週足分析で紹介したものと同じものです。また、日足でもチャート下部に「MACD」を加えています。
週足分析では今回の上攻めが終了したか判断するのは時期尚早と述べましたが、日足チャートを確認する限りでは状況は芳しくないようです。短期の上昇トレンドライン(チャート上の青色実線)は執筆時点(1月15日)でブレイク寸前。さらにMACDは今年に入ってからマイナス圏に転じ、売りシグナルを示しています。
短期の上昇トレンドラインは今後に再び引き直すことも可能ですが、上昇の勢いが弱まっていることは確実でしょう。今後の目処としては昨年12月13日安値の0.6084米ドル(チャート上の丸で囲った部分)に注目。このポイントを下抜けると短期上昇トレンドの終了が決定的となり、同時に週足分析で示した長期の下落トレンドが継続していることも明らかになるでしょう。
今後のイベントは
最後に今後1か月間の重要イベントも確認しておきます。注目は1月30-31日に予定されている米金融政策。NZでは期間内に金融政策の発表は控えていませんが、次回会合(2月28日)の結果を占ううえで、1月24日に公表される四半期消費者物価指数(CPI)は注目されそうです。
その他のイベントは以下の通りとなります。
今後1カ月の重要イベント
1月24日 NZ 10-12月期消費者物価指数(CPI)
1月11日 米国 12月CPI
1月26日 米国 12月PCEコア・デフレーター
1月30-31日 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)
2月2日 米国 1月米雇用統計
2月13日 米国 12月CPI
関連記事
ようこそ、トレーダムコミュニティへ!