Weekly Report(11/20):「『中期的天井 & 長期的Wトップ』の形成」を確認する重要なステージ
Weekly Report(11/20):「『中期的天井 & 長期的Wトップ』の形成」を確認する重要なステージ
吉岡 豪麿
この記事の著者
ジーフィット 取締役CAO

国内大手金融機関の外国為替取引部門で外国為替、外国証券等のディーラーとして20年、海外金融機関でアセットマネージャーとして15年以上の経験を有する為替のエキスパート。貿易企業の経営者を経て、企業年金基金の資産運用を担当。2021年1月よりCAOとして投資助言部門を担当。

アナリストレポート

<テクニカル分析判断>   

サマリー:

●短期:押し目買い圧力は残存も「上昇の最終局面は通過」した可能性が高まる

●中期:『中期的天井 & 長期的Wトップ』の形成を確認する重要なステージに突入

先週は「寄付151.50:149.19~151.91:終値149.64(前週比▲1.89円の円高)となり、

週足(後掲➋参照)では2週ぶりに(今年7月上旬以来となる大幅な)陰線を形成した。

週初こそ、根強い上昇圧力の継続によって想定通りの上値模索が見られ、一時151.90円と

年初来高値の更新と共に昨年10/21の32年ぶり高値(151.95円)にほぼ面合わせの展開。

しかしその水準で伸び悩むと、週足や月足で示唆されていた「上昇の過熱への反動による

“自律調整的な下落”」へと移行し、その動きが週末にかけて加速することとなった。

なお、10/30週の2.92円から11/6週に2.29円とやや縮小した週間レンジは、先週2.72円

と再び拡大。今月に入り比較的高めの変動率が維持されており当面高水準の継続を想定

結果として、先週も指摘したとおり<上昇の過熱を示唆するRSIやストキャスティクスは

かなり警戒すべき水準へと上昇しているため(中略)いつ「上昇の最終局面」を迎えても

おかしくない状況>が出来した可能性が高まったようだ。また、日足(後掲➊参照)では、

21MAを終値で明確に下回ってくれば、下落が加速しやすくなり中期的なピークアウトに

繋がる可能性が高まる>状況にもかなり近づいたと言えよう。(但し、確認は必要❢)

もちろん、その他数種のテクニカル指標が示すように「上昇圧力の根強さは依然として

強力」であり今週も「押し目買い継続」の可能性は否定できない。ただし、既述の通り

「上昇圧力の衰退・下落圧力の高まり」は顕現化の色彩を濃くしているため、中期的な

天井や長期的なダブルトップを形成した可能性は念頭に置いておく必要があろう。

それを確認する意味でも、今週以降(今月の終値が確定する来週)の推移は極めて重要だろう。

以下では『短期・中期・長期の方向性』について各時間軸チャートによるテクニカルな

視点を中心にご案内。(今号の分析は2023/11/17のNY市場終値をベースに実施)

<以下の用語補足:「MA」=移動平均線、「RSI」=(上下への過熱を示す)相対力指数>

➊日足チャート:「21MA±4.32%のバンド」、「52MA & 200MA」、RSIを付記  

短期(1週間~1か月弱)の方向性「上昇の最終局面が形成」されたかどうかを確認へ

3月下旬から52MAとほぼ同じ傾きで続いている上昇トレンドは依然として大きく崩れる

ほどの変化はなく「根強い上昇圧力⇒押し目買い圧力の残存」は否定できない

一方、直近3ヶ月以上に亘り終値で明確に(=大幅にor複数日連続で)下回れずに強力な

支持線となっていた21MA(赤い線)を、先週末は比較的明確に終値で下回った(図右端の太枠)

但し、3週前にも2度同様の事象があったが、いずれも「下抜けが小幅・翌日には21MA超

を回復」していたことで我々の定義する「下抜け」には到っていなかった

●今回は値幅も伴っているので大丈夫だと思料も、確認の意味でも今週の推移は極めて重要

●これまでも繰り返し指摘してきた通り、21MAを終値で明確に下回る展開となれば、下落が

加速しやすくなり中期的なピークアウトに繋がる可能性が相当高まる

>>チャートの黒とエンジの太い〇部分参照。21MAを終値で明確に抜けると勢いは加速する

⇒21MAを終値で明確に下回った場合の最初の下値目標としていた52MA(149.40円@11/20朝)

を終値で下回ればほぼ確定。次のメドは1) 147.27(10/3安値)、2) 146.25(上昇トレンドライン)

ここ数週の展開でRSI・ストキャスティクスは短周期で上下動を繰り返していたが、

直近(足許)では共に「下落傾向(サイン)」が明確になってきている

確認の必要はあるものの、「中期的上昇の最終局面は既に通過した」と認識

>>>想定レンジ=今週:146.25~150.45 、今後1ヶ月:142.50~150.45 =

➋週足チャート:「21MA±4.32%/±7.41%/±9.87%のバンド & 52MA」、RSIを付記 

中期(1か月~半年程度)の方向性中期的ピークアウトの確認から下落トレンド加速へ

先週初の年初来高値更新からの大陰線形成により、中期的なピークアウトはほぼ確認

4週前から下落に傾きつつあったストキャスティクスに加え、前週再上昇していたRSI

も先週から低下傾向が鮮明となり、(中期的)下落トレンド開始の可能性が台頭

>>>『中期的天井 & 長期的Wトップ』の形成確認が次第に明確になりつつある

>>> 今後6か月間の想定レンジ 139.20~153.75 ⇒ 137.40~150.45 =

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