Weekly Report (7/31):高変動率維持の中央銀行Weekを経て市場参加者の短期的方向感は喪失気味に
Weekly Report (7/31):高変動率維持の中央銀行Weekを経て市場参加者の短期的方向感は喪失気味に
吉岡 豪麿
この記事の著者
ジーフィット 取締役CAO

国内大手金融機関の外国為替取引部門で外国為替、外国証券等のディーラーとして20年、海外金融機関でアセットマネージャーとして15年以上の経験を有する為替のエキスパート。貿易企業の経営者を経て、企業年金基金の資産運用を担当。2021年1月よりCAOとして投資助言部門を担当。

アナリストレポート

テクニカル分析判断

サマリー:

短期:方向感は喪失気味。動意希薄化の中で次の方向性を模索するステージへ

中期:直近の中期的変化はピークアウト。中期的下落トレンドは存続の可能性残る

先週は「寄付141.54:138.05~141.80:終値141.15(前週比▲0.66円の円高)

推移を辿り、週足は2週ぶりに再び陰線を形成ただし、その形状は所謂下ヒゲが

実体に比較して圧倒的に長く『下落圧力の減退』を示唆する格構となっており、

改めて『根強い上昇圧力』を再認識させられる結果となった。

一方、3週前に5.77円まで爆発的に拡大した週間レンジは、2週前の4.27円に続き

先週は3.75円と依然高水準を維持しながらも徐々にその幅を縮小しており、一旦は

「変動率を低下させ次なる方向性を模索するステージ」へ入った可能性がある。

この現象は、「激しい上下動が繰り返されたことで、一旦短期的な方向感が喪失」し

「動きづらい展開がしばらく続く」典型的なパターンともいえる。

確かに「強力な底堅さ」を見つけられた直後だけに、上値トライが先行する可能性が

高いと考えられるものの、直近観測された中期的な変化はピークアウトであるため、

『中期的下落トレンドは存続』の可能性は依然として残存すると考えている。

以下では『短期・中期・長期の方向性』について各時間軸チャートによるテクニカルな

視点を中心にご案内。(今号の分析は2023/07/28のNY市場終値をベースに実施)

<以下の用語補足:「MA」=移動平均線、「RSI」=(上下への過熱を示す)相対力指数>

➊1時間足チャート:「21MA、52MA & 200MA」、RSIを付記

超短期的な方向性直近の超短期的変動激化の反動から変動が沈静化して行く可能性

>>チャートは概ね先週1週間分の1時間足週末にかけての40時間程度で変動幅が

極端に拡大していることが判る(大きな〇部分:ここだけで週間レンジの87%を占有)

また、この間に2円超の振幅を5回繰り返しているうえ、うち2回は僅か1時間以内に

それを記録している。 1時間という短い時間軸でこれだけ激しい変動を経験すると、

通常であれば反動から変動は沈静化してゆくもの。また、この間のRSIは「30~70」の

適正レンジを維持しており、行き過ぎた上下動は抑制されている。更に、週末を65.7で

終えていることから、上値トライが先行したとしても上昇余地は大きくは期待できまい。

少なくとも、142円台半ば~後半の水準到達には相応の上値抵抗が予想される

ただし、まずは上昇中の[21MA]を下回ってこない限り、下値トライの可能性もほぼ無い。

➋日足チャート:「21MA±4.32%のバンド」、「52MA & 200MA」、RSIを付記

短期(1週間~1か月程度)の方向性動意の希薄化を経て次のトレンドを模索へ

黒い〇は天井形成、エンジの〇は底打ちの時点(共に短期的サイン含む)を表す

既述の通り、直近3週間の変動率の急上昇は『反動的沈静化』を招く可能性が高い

 と判断。概ね先週のレンジ(チャートの濃い青の小さい□)内で週間値幅を縮小して

 ゆくものと想定している。その後次なる方向性を探ることになろう。

◇ただし、直近の短期的なサインは7月中旬の「底打ち」が優位性を持っているうえ

 3週間上抜け出来なかった[21MA]を今週上抜けしてくると考えられ、展開としては

『上値トライが先行』する可能性が高いと思われる。

なお、6/29に75.9と明らかに「昇の過熱警戒領域に達していたRSIは、7/13には

一転して瞬間的に30割れを記録後、7/21に55.5を経て先週末も52.1と中立領域

を維持。水準としては、今後上下どちらに振れてもおかしくはない。

>>>想定レンジ=今週:139.50~142.95 、今後1ヶ月:135.30~142.95 =

➌週足チャート:「21MA±4.32%/±7.41%/±9.87%のバンド」&「52MA」、RSIを付記

中期(1か月超~半年程度)の方向性ピークアウト再確認から『下落トレンド』活発化へ

>>チャートは前週までのものに上記❶を追加したもの(調整メドは矢印と同色)

黒い〇は天井形成(速度調整的サイン含む)、エンジの〇は底打ちの時点を表示

本年1/16の『ボトム(127.23)』と同6/30の『ピーク(145.06)』によって形成

された上昇局面はRSIのピークアウトが示唆する通り、一旦終了の格構となり

再度下落トレンドへ入ったと思われた

●しかし、その後3週は高い変動率の中にあっても緩やかに上昇中の[21MA]や[52MA]が

サポートとなって下方へ突破できない状態が続き、逆に「根強い上昇圧力」が再び

評価されやすいかたちとなっている

なお、5週前の70近辺でピークアウトしたRSIは先週末56.7へと低下、やや高め

ながらも依然として中立領域にあり、上下どちらにも振れる可能性はある

ただし、直近の『中期的サインはピークアウト』との認識のもと『局面として下落

トレンドは依然存続』との見方は維持。既述の[21MA]や[52MA]を終値で下回れば、

下落(下値模索の動き)は加速しよう

>>> 今後6か月間の想定レンジ 128.70~145.65 ⇒ 128.70~144.90 =

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